日機装、宮崎に透析用血液回路を生産する新工場、総額73億円投資

・治療の継続に欠くことのできない医療製品の国産化でサプライチェーン強化

 日機装(本社:東京都渋谷区)は11月11日、血液透析治療に欠かせない消耗品である血液回路のサプライチェーンの強化を図るため、宮崎日機装(宮崎市高岡町)の敷地内に透析用血液回路の新工場を建設すると発表した。

 日機装は、透析用血液回路をベトナム、タイの2拠点で生産しており、世界中へ供給している。血液回路は、一般的に週3回の頻度で実施される治療の都度、交換が必要となる重要な消耗品であり、治療継続のためには欠くことのできない生命線ともいえるもの。国内は、年間約 5,200 万本が必要とされており、うち約半数を日機装が供給してきた。

 在ベトナム・ホーチミンの日機装血液回路工場は、当局の感染拡大防止に向けた規制強化によって、2021 年6月末から稼働の制限を余儀なくされる事態となったことから、日機装は製品供給の継続を第一に、協力会社の支援による代替品の提供やタイ工場の増産対応など、あらゆる対応を継続してきた。現在、ベトナム工場の稼働率も徐々に回復しているが、日機装が血液回路の供給者としての責務を全うしていくためには、生産・供給体制の整備、再構築が必要である ことから、宮崎に新工場を建設することを決定した。

 宮崎新工場では、国内で年間に必要な血液回路の約30%となる 1,600 万本を生産し(最大生産時)、 製造プロセスの自動化と効率化を行うことで、国内市場へ高品質な製品を安定供給できる体制を構築する。また、現行の複雑化した商品構成も見直し、型式の集約を行うことで、急激な需給変動への 対応力も強めていく。

<新工場の概要>

名称:宮崎日機装メディカル工場

所在地 :宮崎県宮崎市高岡町高浜 宮崎ハイテク工業団地

延床面積(予定):約 13,000m2

資金計画 :自己資金等により充当

事業内容 :血液透析用消耗品(血液回路)の製造

生産能力 :1,600 万本/年(最大生産時)

従業員数 :180 名程度(最大生産時)

操業開始:2024 年7月(予定)

総投資額(予定):工場建設費用及び設備投資総額約 73 億円を予定、2023 年迄:59 億円(建屋、第1生産ライン及びその他設備) 2025 年迄:14 億円(第2生産ライン)

(参考)拠点別血液回路工場概要

<M.E.Nikkiso Co.,Ltd. >

 所在地:タイ バンコク

 主な仕向地 :日本

<M.E.Nikkiso Vietnam Co.,Ltd. >

 所在地 :ベトナム クアンガイ (2022 年 2Q より稼働予定)

 主な仕向地 :米国など

<Nikkiso Vietnam MFG Co.,Ltd. >

 所在地:ベトナム ホーチミン

 主な仕向地:日本及びその他欧米等(中国除く)

<宮崎日機装 会社概要>

会社名: 宮崎日機装株式会社

本社所在地: 宮崎県宮崎市高岡町高浜 1495 番地 63

設立: 2017 年 3 月 30 日

代表者: 代表取締役社長 西脇 章

事業内容: 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製民間航空機部品、ならびに産業向け特殊ポンプ、その他日機装グループ製品の製造

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