日立建機、水没した油圧ショベルを新車同等の機能に再生

・サーキュラー・エコノミー(資源循環型経済)の実現に貢献

 日立建機は11月15日、サーキュラー・エコノミー(資源循環型経済)の実現に貢献する取り組みの一環として、西日本を中心に甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」により水没した20トンクラス中型油圧ショベル1台を、新車同等の機能に再生したと発表した。

 今回再生した油圧ショベルは、保証付中古車「PREMIUM USED*」として15日より、日立建機グループの国内事業を担う日立建機日本を通じて、日本国内向けに販売する。

 日立建機は、長年にわたり、使用済み純正部品を再生して市場に供給してきたが、車体全体を再生する取り組みは今回が初めて。

 PREMIUM USED*日立建機グループと正規新車代理店が定める点検や整備の基準を満たした上で、保証を付けて提供する中古車。

 近年、資源循環を経済成長につなげる「サーキュラー・エコノミー(資源循環型経済)」の実現に向けた取り組みが加速している。

 日立建機グループでは、開発・生産段階での廃棄物削減をはじめ、部品再生やレンタル、中古車の販売、サービスなどを通じて、Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:資源の再生利用)、Renewable(リニューアブル:再生可能資源の利用)の4つの分野で資源循環に取り組んでいる。部品再生事業は、顧客の使用済み純正部品を修理や定期交換時に回収して分解・整備した後、新品同等の機能保証付きの再生部品として提供する事業。1970年から国内の各サービス拠点で部品再生を始めて以来、長年にわたり独自の再生技術を蓄積し、2021年4月には、再生事業部を設立して推進体制を強化している。

 今回再生した中型油圧ショベルZX200-3は、「平成30年7月豪雨」により愛媛県大洲市で水没した日立建機日本のレンタル機で、エンジンの始動ができない状態で回収した。ブーム・アーム・バケットなどのフロント部分や外装カバー部品をはじめ、車体フレームなどすべての機器を取り外して、さび落としや再塗装を行うほか、これまでの部品再生事業で培った独自技術を適用し、油圧ポンプ、油圧シリンダなどの主要コンポーネントは、再生部品を搭載している。その結果、外観が新車同様となるだけではなく、油圧や動作速度などの数値においても新車時に求められる性能基準を満たしている。

 日立建機グループは、これからも、部品再生事業をはじめとするバリューチェーン事業の強化を進め、環境負荷低減とサーキュラー・エコノミーの実現に向けた取り組みを通じ、社会課題の解決に貢献していく。

 画像:上・再生後の水没した油圧ショベルZX200-3、下・再生前と再生後の比較

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