酒井重工、21年4~9月売上27.8%増の129億円、通期予想は15.6%増の250億円

 酒井重工業が11月11日に発表した2022年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は、堅調な国内市場に加えて海外市場の回復が進み、前年同期比27.8%増の129億8千万円となった。営業利益は、売上高の増加に伴い、前年同期比279.2%増の7億2千万円、経常利益は同332.8%増の7億3千万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益については黒字転換し、5億円となった。

 4~9月期における酒井重工業グループを取り囲む事業環境は、新型コロナウイルス感染症と地球温暖化問題を契機とした世界社会の大変容が進む中、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本格化、世界的な脱炭素政策(CN)の加速とこれに伴うエネルギー・資材価格の高騰、経済活動再開に伴うサプライチェーンの混乱、米中冷戦構造を軸とした地政学情勢の更なる激化など、激動する世界情勢の中でWithコロナ時代の経済回復が急速に進んだ。

 このような事業環境の下で酒井重工業グループでは、DXによるビジネスモデルの革新、本業を通じたSDGsや脱炭素など社会的課題への取り組み、資本政策を重視した経営への転換を進めると共に、引き続き「変化を大前提とした事業経営」と「海外事業と次世代事業による中長期成長戦略」を基軸とした成長基盤づくりを進めてきた。

 酒井重工業2022年3月期第2四半期データ

■連結地域区分別売上高状況

 国内向け売上高は、国土強靭化計画に基づく堅調な公共工事執行を背景として販売が好調に推移し、前年同期比13.7%増の69億6千万円となった。

 海外向け売上高は、主要市場で建機需要の回復が進み、前年同期比49.2%増の60億1千万円となった。

 北米向け売上高は、好調な建設投資が続く中で建設機械需要も回復に転じ、前年同期比61.5%増の22億9千万円となった。アジア向け売上高は、タイ、ベトナム、韓国、中国に加えてインドネシアでも経済活動の回復が進み、前年同期比38.1%増の32億9千万円となった。中近東・ロシアCIS及びその他市場向け売上高は、中近東・ロシアCISで販売が停滞したものの、中南米、オセアニア、アフリカ向け販売が回復基調に推移し、前年同期比89.3%増の4億2千万円となった。

■セグメント別業績

日本

 国内向け販売が底堅く推移するとともに海外向け販売及び海外工場向け部品輸出が増加に転じ、総売上高は前年同期比25.2%増の108億6千万円、営業利益は同106.4%増の5億6千万円となった。

海外

 米国では、好調な建設投資の下で建機需要が回復に転じ、総売上高は前年同期比61.8%増の23億2千万円、営業利益は黒字転換して1億3千万円となった。

 インドネシアでは、第三国向け輸出が好調に推移するとともに、停滞していた国内販売が漸く回復に転じました結果、総売上高は前年同期比77.3%増の24億3千万円、営業利益は同55.1倍の1億3千万円となった。

 中国では、米中事業のデカップリング方針の下で北米向け輸出抑制と国内販売拡大を推進中で、総売上高は国内販売拡大により前年同期比19.8%増の4億7千万円としたものの、営業利益は3千万円の損失に留まった。中国事業については今般3百万米ドルの資本増強を決定して財務基盤を安定させるとともに、グループ内の製品・部品事業拡大を加えた収益構造改革を進めた。

■2022年3月期通期連結業績予想

 世界的に建設機械の需要回復が進む中、下半期も好調な販売が予想されることにより、期初の売上高予想値を上方修正する。利益予想値に関しては、鋼材等の部材価格高騰とコンテナ運賃の高騰により約5億円相当のコスト上昇が下半期に見積もられるため、期初の利益予想値を据え置いた。

 2022年3月期連結業績予想は、売上高250億円(前期比15.6%増、営業利益9億円(同28.3%増)、経常利益8億円(同21.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億2千万円。

 酒井重工業(株)(6358)2022年3月期 第2四半期決算短信

 第2四半期決算説明資料