コマツ、デンヨーの水素混焼発電機の開発にエンジン提供と技術協力

・カーボンニュートラル実現を加速

 コマツは11月11日、デンヨーが取り組む250kW水素混焼発電機の開発に関して、発電機用SAA6D170E-5エンジンの提供およびエンジン分野における技術協力を行うと発表した。

 水素混焼発電とは、軽油や都市ガスなどの燃料に水素を混焼させることにより二酸化炭素(CO2) の発生を抑制する技術。水素混焼発電は、水素と軽油の混合比率の調整や燃焼温度の管理が課題となっている。今回のデンヨーの250kW水素混焼発電機の開発は、水素の混焼率を50%とすることで、軽油のみを燃料とする場合と比較してCO2の発生を50%削減することを目指すもの。

 今回の水素混焼発電機の開発では、コマツはこれまで培ってきた技術を活かし、エンジン性能データの解析や水素混焼時のエンジン制御の最適化に関して技術協力を行っている。そのほか水素の供給部については㈱日立製作所が協力している。2023年の量産開始を目指しており、今後も共同でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強化していく。

 コマツは中期経営計画において、2030年目標として2010年比でCO2排出量の50%削減と、再生可能エネルギーの比率を50%とすることを掲げている。その延長である2050年カーボンニュートラルに向け、CO2削減の取り組み対象を、自社の拠点(Scope1+2)、自社の製品使用時(Scope3カテゴリ11)にとどまらず、顧客の現場全体にも拡げる。

 コマツはこれまで、ハイブリッド油圧ショベルやバッテリー駆動式ミニショベルをレンタル機として国内市場へ導入するなど、気候変動に対応した環境負荷低減や安全に配慮した取り組みを行ってきた。2021年9月には、いかなる動力源でも稼働可能なパワーアグノスティック超大型ダンプトラックのコンセプト車を発表するなど、カーボンニュートラルに向けたさまざまな開発を進めている。今回の水素混焼発電機に関する技術協力は、カーボンニュートラル実現に向けたコマツの取り組みの一つ。コマツは、今後も顧客とともに安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していく。

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