DMG森精機が11月5日に発表した2021年12月期第3四半期連結累計期間(1〜9月)業績によると、売上収益は274,271百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益は16,733百万円(同168.3%増)となった。税引前四半期利益は14,179百万円(前年同期は2,266百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は9,880百万円(前年同期は32百万円)となった。
■第3四半期(1~9月)決算サマリー
同社の工作機械需要は、日本、欧州、米州など連結受注の80%強を占める先進国において、ほぼ全産業において順調に拡大している。早くから回復に転じた中国需要(受注構成比:10%)は、小休止の状況にあるが、先進国での需要増で十分吸収して同社の連結受注は引き続き力強く増加している。
2021年第3四半期累計(1~9月)の連結受注は、引き続き同社が強みを有する5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、ターンキー化、デジタル化などが進展し3,403 億円(前年同期比:65%増)となった。機械本体の受注残高は1,680 億円(6月末:1,420 億円)へ増加した。
第3 四半期の売上収益は2,743 億円(前年同期比:17%増)、営業利益167 億円(同:2.7 倍増)、営業利益率6.1%(前年同期:2.7%)となった。物流費の上昇はあったが、それ以外の費用の抑制、販売数量増、顧客への価値提供による粗利益改善、円安効果などにより利益率が大きく改善した。
金融収支は、2020年4月に独DMG MORI AG(以下、AG)株主からのAG株式追加取得により、AG 非支配株主への継続的補償額の支払いが減少し14 億円改善した。また、実効税率も約30%と適正水準となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益(以下、当四半期利益)は99 億円(前年同期:0 億円)へ大幅増となった。
■受注動向
DMG森精機の第3四半期累計の連結受注額は3,403億円、前年同期比65%増と、前四半期に続き、好調な需要環境が継続した。その結果、第3四半期末の機械本体受注残高は1,680億円となり、前年度末の960億円から720億円増加した。1台当たりの受注平均単価は、5軸加工機の需要増、大型自動化案件の増加およびデジタル化などの 価値提案の向上により、引き続き上昇基調にある。また、修理復旧・補修部品事業の受注は、顧客の稼働率 向上により、前年同期比26%増となった。
地域別の機械受注金額は、欧州が前年同期比2.1倍と大きく回復した。また、前四半期から需要の回復が鮮明になってきた日本も同72%増と、回復の勢いを増している。その他、米州と、中国を除くアジアもそれぞれ 同41%増と、グローバルに工作機械需要の拡大が継続している。
産業別の受注動向は、従来と傾向は変わらず、半導体製造装置関連、金型、宇宙、一般機械向けや電気自動車(EV)関連投資も含む自動車向けなど、総じて 堅調に推移している。また、昨年来落ち込んでいた民間航空機関連、エネルギー関連向けでも引合いが出始めている。DMG森精機の直販・直サービスの強みを背景に、工程集約機を中心に、自動化、ターンキー化を促進し、年度での連結受注額は前期比61%増の4,500億円前後を目指す。
コメントを投稿するにはログインしてください。