ナブテスコが10月29日に発表した2021年12月期第3四半期(1~9月)連結業績によると、受注高は、前年同期比15,559百万円(7.5%)増加し223,110百万円、売上高は、同14,316百万円(7.2%)増加し214,117百万円となり、営業利益は、同1,970百万円(10.5%)増加し20,808百万円となった。売上高営業利益率は9.7%となった。㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの持分法適用除外に伴う評価益等を計上したことにより、税引前四半期利益は101,743百万円(前年同期比390.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は63,078百万円(同384.4%増)となった。
1~9月期において、航空機器、鉄道車両用機器は、新型コロナウイルスによる世界的な移動制限の影響が継続したため需要が減少した。一方、産業用ロボット向け精密減速機は、自動車向けを中心とした設備投資の拡大を背景に高い需要が継続した。また、建設機械向け油圧機器は、海外での需要を中心に堅調に推移した。
■セグメント別概況
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前年同期比27,815百万円(36.1%)増加し104,795百万円となった。売上高は、同22,615百万円(29.2%)増加し100,198百万円、営業利益は、同4,836百万円(40.7%)増加し16,703百万円となった。
精密減速機は、自動車産業を中心とした世界的な設備投資が旺盛であり、産業用ロボット向けで高い需要が継続した。また、一般産業向けも需要が拡大し、売上高は前年同期比で増加となった。建設機械向け油圧機器は、中国での第1四半期の高い需要に加え、欧米・東南アジア市場が引き続き好調に推移したことにより、売上高は前年同期比で増加となった。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の受注高は、前年同期比14,242百万円(△23.7%)減少し45,958百万円となった。売上高は、同9,437百万円(△16.5%)減少し47,869百万円、営業利益は、同992百万円(△21.0%)減少し3,728百万円となった。
鉄道車両用機器は、新型コロナウイルスの影響により、海外向け案件の入札遅れや、国内の新車案件及びMRO(Maintenance, Repair, Overhaul)の需要が低迷し、売上高は前年同期比で減少となった。
航空機器は、民間航空機の大幅な減産の影響に加え、防衛装備品調達計画の谷間により需要が低迷し、売上高は前年同期比で減少となった。
商用車用機器は、国内外における需要が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなった。
舶用機器は、国内外においてMROが堅調に推移し、売上高は前年同期比で増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前年同期比1,972百万円(△3.4%)減少し55,981百万円となった。売上高は、同133百万円(△0.3%)減少し52,913百万円、営業利益は、同280百万円(5.7%)増加し5,193百万円となった。
自動ドア事業は、プラットホームドアにおいて国内鉄道事業者の投資先送りの影響を受けたものの、国内外の建物用ドア需要が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなった。
<その他>
その他の受注高は、前年同期比3,958百万円(31.9%)増加し16,375百万円となった。売上高は、同1,271百万円(10.7%)増加し13,137百万円、営業利益は、同653百万円(56.8%)増加し1,801百万円となった。包装機は、外食産業不振の影響により国内で需要は伸び悩む一方、海外の需要増加により、売上高は前年同期比で増加となった。
■2021年12月期見通し
連結業績予想について、税引前利益に含まれる㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの持分法適用除外に伴う評価益等については、2021年12月末時点の株価を予測することが困難であるため、前回発表予想(2021年7月30日付)から変更していない。
2021年12月期の連結業績予想は、売上高3,060億円(前期比9.5%増)、営業利益330億円(同15.7%増)、税引前利益169億円(同401.2%増)、親会社所有者に帰属する当期利益1,108億円(同440.4%増)。
ナブテスコ株式会社(6268) 2021年12月期第3四半期決算短信
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