㈱クボタが11月5日に発表した2021年12月期第3四半期(2021年1~9月)連結業績によると、売上高は前年同期比 2,848 億円(21.0%) 増加して 1 兆 6,416 億円となった。
国内売上高は水・環境部門やその他部門が減少したが、機械部門が農業機械などを中心に増加したため、前年同期比103億円(2.4%)増の4,461億円となった。海外売上高は水・環境部門が減少したが、農業機械や建設機械が大きく伸長したため、前年同期比2,745億円(29.8%)増の1兆1,956億円となった。
営業利益は生産、営業活動の増加に伴う固定費の増加や原材料価格の上昇などの減益要因はあったが、国内外での大幅な増収や為替の改善などにより、前年同期比816億円(62.8%)増の2,115 億円となった。税引前利益は営業利益の増加により前年同期比750億円(54.1%)増加して 2,138 億円となった。法人所得税は 554 億円の負担、持分法による投資損益は25億円の利益となり、四半期利益は前年同期比548億円(51.7%)増の1,609億円となった。親会社の所有者に帰属する四 半期利益は前年同期を 502 億円(52.0%)上回る 1,466 億円となった。
■部門別の概況(部門別の外部顧客への売上高及びセグメント利益)
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。売上高は前年同期比 26.5%増加して1兆4,080億円となり、売上高全体の 85.8%を占めた。
国内売上高は前年同期比7.7%増の2,388 億円。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農業機械や農業関連商品が伸長した。
海外売上高は前年同期比31.1%増の1兆1,692億円となった。北米では、港湾の混雑や人手不足に伴う生産や出荷の遅れは続いているが、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景にトラクタや 建設機械が大幅に増加した。欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売低迷から の回復傾向が続いており、建設機械、トラクタ、エンジンが増加した。アジアでは、良好な天候など によりタイの農業機械が大幅に増加したほか、インドでも農業機械が好調に推移した。その他の地域では、オーストラリアのトラクタや建設機械が政府の景気刺激策を背景に大きく伸長した。
セグメント利益は固定費の増加や原材料価格の上昇などの減益要因はあったが、国内外での大幅な増収や値上げ効果、為替の改善により前年同期比57.9%増加して 2,149億円となった。
<水・環境部門 >
同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成。売上高は前年同期比 4.0%減少して 2,136 億円となり、売上高全体の 13.0%を占めた。
国内売上高は前年同期比3.0%減の1,872億円。パイプインフラ関連製品は緊急事態宣言に伴う工期延長の影響などによりダクタイル鉄管や工事事業が減少した。一方、環境関連製 品は排水ポンプ車の増販によりポンプが大幅な増加となった。海外売上高は前年同期比10.7%減の264億円となった。素形材などが減少した。
セグメント利益はプラント建設コストの改善などにより前年同期比 13.6%増加して 169 億円 となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。売上高は前年同期比4.9%減の201億円となり、売上高全体の1.2%を占めた。当部門のセグメント利益は前年同期比 10.9%増加して 23 億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2021年12月期の業績見通しは、前回発表時(2021年8月3日)から変更していない。
売上高は前回予想時(2021年2月15日)から1,000 億円増の2兆 1,500億円。営業利益の予想については、原材料価格が高騰しているものの、売上高予想及び為替動向などを 踏まえ、前回予想を400億円上方修正し、2,600 億円。税引前利益は前回予想比380億円増の2,630億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想比 250 億円増の 1,830 億円としている。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=108 円、1ユーロ=130 円としている。
(株)クボタ (6326) 2021年12月期 第3四半期決算短信
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