牧野フライス製作所、2021年4~9月売上は51.8%増の753億円、通期予想47.2%増の1,720億円

 ㈱牧野フライス製作所が10月29日に発表した2022年3月期第2四半期連結累計期間(2021年4~9月)業績によると、売上高753億40百万円(前年同期比51.8%増)、営業利益28億39百万円、経常利益40億11百万円、純利益33億51百万円となった。

 上期の連結受注は1,141億50百万円(前年同期比120.3%増)と、大幅に増加した。新型コロナウイルス感染症の影響から経済活動が立ち直ってきたことに伴い、全地域で前年同期を上回った。特にアメリカと中国では受注が集中した。第2四半期(7~9月)は、第1四半期の好調が継続する結果となり、四半期別では過去最高となった。

 牧野フライス2022年3月期第2四半期データ

■第2四半期(2021年7月~9月)受注状況(現地通貨ベース)

<セグメントⅠ> (「個別」および国内連結子会社)

 牧野フライス製作所の国内受注は、低迷していた前年同期に対しては大きく上回る結果となった。半導体製造装置の部品加工向けをはじめ、自動車の金型向けなど幅広い産業から受注があった。第3四半期はこの状況が継続することで、上期並みの受注が継続すると見ている。

<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )

 アジアの受注は、全地域で前年同期を上回った。中国は、前年同期、前四半期をともに上回り、過去最高となった。部品加工向けにおいて、新エネルギー車(NEV)関連でまとまった受注を獲得したことで大きく増加した。これに加え、商用車のディーゼルエンジンや乗用車、および一般機械の部品加工向けの受注も堅調でした。金型向けは、電気電子および自動車向けを中心に堅調だった。

 第3四半期の中国は、まとまった受注のあった第2四半期に対しては減少する見通し。期初に計画した受注ペースに戻り、前年同期比では増加すると見ている。インドは、自動車向けを中心に前年同期を上回った。第3四半期は前年同期並みの状況が続くと見ている。アセアン地域は前年同期を上回った。コロナウイルスによる影響が商談の進展に影響することで、第3四半期も同様の状況が続くと見ている。

<セグメントⅢ> ( MAKINO INC. )

 アメリカの受注は前年同期を上回った。第1四半期に引き続き、半導体製造装置、自動車、医療など様々な産業から、経済活動の立ち上がりに伴いリピート受注が継続したため、高水準の受注となった。航空機向けにおいては、プライベートジェットや防衛関連の受注があった。第3四半期は、受注が集中した上期の水準に対しては減少するものの、期初に想定した受注水準に戻り、前年同期比では増加を続けると見ている。今後の航空機向け受注の回復に期待している。

<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )

 ヨーロッパの受注は、低水準であった前年同期に対しては、大幅増となった。商用車のディーゼルエンジン向けにまとまった受注があった。航空機向けにおいても受注があった。第3四半期は上期と同様の受注が継続すると見ている。21年10月に開催された欧州の工作機械見本市「EMOMILANO 2021」後の商談を成約に結び付け、受注増に努める。

■2022年3月期の見通し

 下期の受注については、アメリカと中国を中心に受注が一時的に集中した上期に比べ、減少する見通し。期初に想定した受注水準に戻り、前年同期比では増加を続けると見ている。航空機向け受注が底を打ち、アメリカ、ヨーロッパを中心に戻り始めた。さらなる受注の柱となるよう営業活動を進める。半導体製造装置向け受注は今後も堅調を維持すると見ている。売上、利益においては、原材料高や資材調達のひっ迫による影響が出ると懸念している。引き続き部品調達をはじめとした増産対応を進め、売上計画の達成に努める。

 2022年3月期業績予想は、第2四半期の業績を踏まえて売上、利益ともに下記のとおり修正した。

 売上高1,720億円(前期実績1,167億37百万円、前期比47.2%増)、営業利益80億円(前期△3,612百万円)、経常利益94億円(同△1,374百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益78億円(同△2,703百万円)。

 牧野フライス製作所の2022年3月期第2四半期決算短信