日本ゼオン、世界最大幅の大型TV用光学フィルム製造ラインを増設

 日本ゼオンは10 月28日、福井県敦賀市の光学フィルム工場において、大型T V向け位相差フィルムの製造ライン 2 系列目の増設を決定したと発表した。新ラインは 2023 年 10 月の量産開始を予定している。

 日本ゼオンは、光学フィルム(製品名:ZeonorFilm® 以下、ゼオノアフィルム)を、グループ企業で製造子会社である㈱オプテス*1 北陸工場の 3 拠点:高岡製造所(富山県)、氷見製造所(富山県)、敦賀製造所(福井県)で製造している。

 ゼオノアフィルムは、日本ゼオンが独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィン ポリマー)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。シクロオレフィン ポリマーの特長である高い光学特性と優れた寸法安定性を有しており、大型 TV やモバイル機器のディスプレ イに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる、位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。

 今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応して 2020 年 4 月より稼働した世界最大幅(2,500mm幅クラ ス)の位相差フィルム製造ラインの 2 系列目となる。新ラインの生産能力は、1 系列目と同じく年間 5,000 万m²の計画で、2 系列合計で 10,000 万m²、既設の能力と併せて TV 向け位相差フィルムの生産能力は トータル 21,900 万m²となる。液晶用ガラス 10.5 世代*2 のサイズに対応した液晶パネル設備が世界中 で順次稼働する中、当該サイズにマッチしたパネルの取り効率が良い 2,500mm 幅の生産ライン増強は環境 負荷低減にも大きく貢献することが期待される。

 なお、今回の増設ラインの量産開始は 2023 年 10 月を予定しており、操業人員の新規雇用を計画している。

 日本ゼオンでは、今後も市場ニーズを捉え社会の期待に応えるとともに、人々の快適なくらしに貢献していく。

*1:㈱オプテスは 2022 年 1 月 1 日に日本ゼオンに吸収合併予定(2021 年 5 月発表)

*2:液晶パネル工場は、基板ガラスの大きさに応じ〇〇世代と呼称しており、10.5 世代は最大級の 2,940×3,370mm

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