三菱ロジスネクスト、2021年4~9月期売上は16.5%増の2,160億円

 三菱ロジスネクストが10月29日に発表した2022年3月期第2四半期(2021年4~9月)連結業績によると、売上高は、2,160億9千1百万円(前年同期比16.5%増)となった。売上高の増加により、営業利益は15億6千2百万円(前年同期△4億6千2百万円)、経常利益は14億3千3百万円(前年同期△7億8百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2千6百万円(前年同期△19億6千3百万円)となった。なお、のれん償却等の影響を除くと、営業利益は63億6百万円(前年同期比45.2%増)となり、営業利益率は2.9%となっている。

 4~9月期における世界経済は、コロナ禍からの経済活動の復調傾向が継続する中での推移となった。海外では、ワクチン接種が進んだことで欧米・中国において規制緩和が更に進み、業種によって回復の度合いは異なるものの、復調傾向は確実に進展している。一方、日本では、コロナ禍による落ち込みが欧米に比して小さかったこともあり、その反動需要は顕著ではなく、復調傾向は緩やかに推移している。

 フォークリフト市場は、海外は、先行して回復を見せた中国はもとより、昨年9月頃からは欧米を中心として、これに続いてアジアでも力強い伸長を見せている。4~9月期においてその傾向は継続し、反動需要もあってコロナ禍前の水準を超えるほどにまで回復してきている。また、日本では、経済と同様に市場の復調傾向は緩やかではあるが、コロナ禍前の水準に回復してきている。

 しかし、世界経済およびフォークリフト市場が復調する中、欧米・中国を中心とした急激な経済回復により需要に供給が追い付かない状況となって、資源高・原材料市況や輸送運賃の高騰・サプライチェーンの混乱を引き起こしており、生産およびコスト面に大きな影響を及ぼしてきている。

 同社グループ各社の受注は好調ながらも、部品供給の確保・整流化を進めて受注の増加に対応した生産・出荷を実現し、納期を順守することが喫緊の課題となっている。現在、この課題の解消に注力しているが、新型コロナウイルス感染症の変異型による感染再拡大や雇用の伸び悩み、米国を初めとした急激なインフレ進行など世界経済の先行き不透明感も相まって、依然として予断を許さない状況が続くと想定している。

 三菱ロジスネクスト2022年3月期第2四半期データ

■セグメント業績

〔国内事業〕

 国内事業は、需要の復調傾向もあり、売上高は836億2千4百万円(前年同期比3.6%増)となった。セグメント利益は、売上高の増加が寄与し、3億4千5百万円(前年同期△4億6千万円)となった。なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は27億3千8百万円(前年同期比29.4%増)となっている。

〔海外事業〕

 海外事業は、欧米を中心とした力強い市場の復調により、売上高は1,324億6千7百万円(前年同期比26.5%増)となった。セグメント利益は、原材料市況や輸送運賃の高騰もあり、12億1千7百万円(前年同期△1百万円)となった。なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は35億6千7百万円(前年同期比60.3%増)となっている。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 連結業績予想については、4~9月期の実績を踏まえて、通期の業績予想を以下のとおり修正した。

 売上高4,700億円(前年度:3,914億9千6百万円、前回予想:4,300億円)、営業利益50億円(前年度:15億9千4百万円)、経常利益40億円(前年度:20億1千4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10億円(前年度:△26億8千3百万円)。

<修正の理由>

 新型コロナウイルス感染症拡大の経済、産業への影響に関しては、全世界で大きく回復傾向が表れており、フォークリフト市場も当初の想定以上に回復してきている。一方、資材費や輸送運賃の高騰についても想定を大きく超えており、サプライチェーンの混乱に起因する生産・出荷遅延にも解消の遅れが見られる等、依然として予断を許さない状況が続くが、第2四半期までの実績と足元の事業環境や直近の受注環境を踏まえて、2022 年3月期の通期連結業績予想を修正した。

 売上高は2021年5月に発表した業績予想を約9.3%上回る見通し。利益については、売上の増加を見込む一方で、資材費、物流費の高騰による変動費の悪化も見込まれることから、営業利益、経常利益、当期純利益すべての利益項目において、2021 年5月に発表した業績予想を据え置いている。なお、のれん等償却前営業利益については、前回発表と同額の140 億円を予想している。

 三菱ロジスネクストの2022年3月期第2四半期決算短信