オークマが10月29日に発表した2022年3月期第2四半期(2021年4~9月)連結業績によると、受注額は97,894百万円(前年同期比75.0%増)、売上高は77,394百万円(同33.6%増)、営業利益は5,178百万円(同282.4%増)、経常利益は5,457百万円(同233.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,958百万円(同642.8%増)となった。
4~9月期は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いたものの、ワクチン接種の進展によって感染を押さえ込んでいく中で経済活動の正常化が進み、世界経済は先進国を中心に緩やかな回復が続いた。
工作機械需要は、経済活動の再開に伴い、抑制されていた需要が発現し回復基調で推移した。
米国市場では、自動車、建設機械、農業機械、産業機械等、多くの産業に設備投資の動きが広がり、航空・宇宙関連の需要は底堅く推移した。第2四半期後半では半導体製造装置関連、資源・エネルギー関連、医療関連においても設備投資の動きが見られた。設備投資は中・小規模事業者にも裾野が広がり、工作機械の需要の回復は大きく進んだ。
欧州市場では、経済活動の正常化等を背景に、自動車関連、産業機械を中心に工作機械の需要は緩やかに回復した。南欧諸国においてもEU復興基金等、経済対策の後押しもあり、設備投資の活発化が進んだ。
中国市場では、建設機械関連に一服感が見られたものの、自動車関連、産業機械関連からの需要は拡大基調で推移した。風力発電等の環境関連分野の設備投資は続き、またEV関連では、大手企業を中心に設備投資を本格化する動きが見られた。
中国以外のアジア市場では、新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が停滞する中、工作機械の需要は一進一退の動きとなった。
国内市場では、半導体製造装置関連からの需要は力強さを維持し、経済活動の再開に伴い、自動車関連等に設備投資の動きが戻る中、補助金効果の発現もあり、工作機械の需要は拡大基調で推移し、第2四半期半ばからは欧米を中心とした海外景気の回復等とあわせ、V字回復の様相を呈した。
製造戦略では、スマートファクトリーDS(Dream Site)1、DS2、DS3の自動化設備への生産負荷の集約や、物流動線の最適化等により、内製化能力を高めると共に、マシニングセンタの需要拡大に備え可児工場の能力増強に着手した。また生産子会社「大同大隈股份有限公司」(台湾)では、一部部材の供給が厳しくなる中、サプライチェーンの強化、新規開拓等を進め、高まる需要に応えてきた。
■連結績予想などの将来予測情報に関する説明
今後の世界経済については、不確実性は継続する中、各国の経済対策とワクチン接種の進展に伴い、一進一退はあるものの、緩やかな回復が続くと予想される。
工作機械の需要動向については、従来の労働力不足への対応に加えて、非接触での安心、安全のための自動化・無人化のニーズが拡大し、工作機械の需要はグローバルに拡大基調で推移することが見込まれる。また、本格化する脱炭素社会への移行により、風力発電等、再生可能エネルギーの社会インフラ構築等において、新たな成長領域が見込まれると共に、EV関連の設備投資が本格化することが期待される。他方、グローバルに様々な産業で、半導体等の部品の調達難は続くことが見込まれる。しかし、不確実性の中で最新の工作機械に対する需要は根強く、工作機械の需要拡大は持続的なものとなることが期待される。
オークマグループは、これまで培ったスマートマシン、スマートマニュファクチャリング技術を土台に、自動化・無人化、工程集約、デジタル革新、ものづくりDX、脱炭素化への取り組みを進め、機械、制御、加工技術、システム構築等、エンジニアリングチェーンの全てに亘り、顧客と新たな価値を創造する「総合ものづくりサービス」を展開していく。また、重要度を増す経済安全保障については、担当役員ならびに専任組織を設置し、経済安全保障の変化に対応できる体制の強化を図り、これまでの輸出管理規制対応、機密情報管理対応に加えて、法令遵守、人材管理、持続可能かつ強靭なサプライチェーンの構築など様々な観点からリスク対策を進めていく。
2022年3月期連結業績予想は、2021年4月27日に公表した業績予想を以下のとおり修正した。
売上高1,670億円(前期比35.3%増)、営業利益140億円(同190.4%増)、経常利益145億円(同165.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益105億円(同402.8%増)。
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