㈱タダノが10月29日に発表した2022年3月期第2四半期(2021年4~9月)連結業績によると、売上高は986億8千万円(前年同期比108.3%)、海外売上高比率は53.1%となった。うち日本向け売上高は、需要の増加に加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は微減で、463億1千2百万円(前年同期比106.4%)となった。海外向け売上高は、中南米を除く全ての地域で増加したものの、欧州において部品調達の遅滞に伴う生産の遅れ等の影響もあり、523億6千7百万円(前年同期比110.0%)に留まった。
売上の増加に加え、欧州事業再生手続きの効果による固定費の圧縮に伴う売上原価率の改善と販売費及び一般管理費の圧縮等により、営業利益は24億7千6百万円(前年同期10億3千8百万円の損失)、経常利益は22億4千6百万円(前年同期15億9千万円の損失)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、欧州事業再生関連収益等を計上した結果、113億8千7百万円(前年同期25億6千6百万円の損失)となった。
4~9月期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は依然として厳しい状況にある中、設備投資や輸出は持ち直しの動きが続いている。海外においても、新型コロナウイルスの世界的流行の影響や点在する地政学的リスクもあり、景気は依然として厳しい状況にあるものの、持ち直しの動きが続いている。
タダノの関連業界は、日本では、大型公共工事を中心に比較的順調な稼働を背景として、需要も増加傾向にあるものの、全体として本格的な需要回復には至らなかった。海外においても、ワクチン接種の広がりから経済活動の再開も見られ、需要は増加基調だが、地域的なばらつきもあり、全体として本格的な需要回復には至っていない。
なお、2018年1月19日に公表した米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告について、2021年1月、米国当局(環境保護庁・司法省)からタダノグループによる違反とそれに伴う民事制裁金(Civil Penalty)4,050万USドルおよびその他の合意条件について提案を受け、2021年3月期に4,050万USドルを引当計上した。当局との協議は継続中であり、最終的に確定した段階において、改めて公表する。
■セグメント別の状況
(セグメント別とは、当社及び連結対象子会社の所在地別の売上高・営業利益であり、仕向地別売上高とは異なる。)
1)日本(4月~9月)
日本向け売上は、需要の増加に加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、増加したものの、海外向け売上は減少し、その結果、売上高は623億3千8百万円(前年同期比99.5%)、固定費の圧縮により営業利益は58億9千7百万円(前年同期比122.4%)となった。
2)欧州(1月~6月)
建設用クレーンの需要は、足許では増加基調にあるものの、前年同期並みまでは回復に至らなかった。また、部品調達の遅滞に伴う生産の遅れ等の影響もあり、売上高は294億5千4百万円(前年同期比96.4%)となったが、営業利益は固定費の圧縮により47億3千2百万円の損失(前年同期は54億8千2百万円の営業損失)となった。
3)米州(1月~6月)
建設用クレーンの需要は、足許では増加基調が鮮明になるものの、前年同期並みまでは回復に至らず、売上高は192億2千4百万円(前年同期比94.5%)、営業利益は3億4千5百万円(前年同期比157.5%)となった。
4)その他(1月~6月)
建設用クレーンの需要が拡大した豪州に加え、アジアにおいても売上が増加し、売上高は114億5千2百万円(前年同期比174.0%)、営業利益は6億2千8百万円(前年同期比621.0%)となった。
■主要品目別の状況
1)建設用クレーン
日本向け売上は、需要の増加に加え、収益認識に関する会計基準を適用した結果、200億1百万円(前年同期比110.4%)となった。海外向け売上は、中南米を除く全ての地域で増加し、403億4千9百万円(前年同期比109.1%)となった。この結果、建設用クレーンの売上高は603億5千1百万円(前年同期比109.5%)となった。
2)車両搭載型クレーン
日本向け売上は、需要が増加し、93億6千5百万円(前年同期比110.6%)となった。
海外向け売上は、6億1千8百万円(前年同期比98.4%)となった。この結果、車両搭載型クレーンの売上高は99億8千4百万円(前年同期比109.7%)となった。
3)高所作業車
高所作業車の売上高は、高付加価値商品の拡販に注力したものの、需要の減少により、83億1千2百万円(前年同期比97.9%)となった。
4)その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、200億3千2百万円(前年同期比108.8%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期の連結業績予想については、受注状況は順調なものの、部品調達の遅滞による生産の混乱、それによる欧州での生産遅れ長期化、世界的な原材料価格高騰等の影響が見込まれるため、下記の予想を修正していない。
売上高2,150億円(前期比15.0%増)、営業利益42億円(前期は△4,196百万円)、経常利益34億円(同△4,683百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益105億円(同△12,987百万円)。
なお、10月以降の前提レートは、110円/ドル・130円/ユーロとしている。
株式会社タダノ(6395) 2022年3月期第2四半期決算短信
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