JFEエンジニアリング、川崎市より入江崎総合スラッジセンター汚泥処理施設更新工事を受注

・脱炭素社会に貢献する創エネ型汚泥焼却炉が初採用

 JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は10月15日、川崎市上下水道局より「入江崎総合スラッジセンター汚泥処理施設更新工事」を受注したと発表した。

 今回の更う新工事で、同社が開発した「OdySSEA (オデッセア)」※が、国内初の創エネ型下水汚泥流動焼却システムとして採用された。

 「OdySSEA」は、2017年度に国土交通省下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)として採択され開発がスタートし、関係省庁のご支援を得て2019年に完成したシステム。

 最大の特長は、新開発の小型タービンにより、熱量の低い下水汚泥においても廃熱回収発電を可能にしたこと。入江崎総合スラッジセンターと同程度の焼却炉の規模(150t/日)でも、必要電力量である550kWhを大きく上回る約650kWhを発電可能で、ランニングコストを約30%低減できる。

 また、独自 開発の『局所撹拌空気吹込み技術』によって、炉内に燃焼空気の一部(二次空気)を吹き込み炉内ガスを撹拌することで、炉内に高温状態を創り出し一酸化二窒素(N2O)を分解する。その結果、温室効果ガスとしてCO2の約300倍の影響を及ぼすとされるN2Oの排出を抑制することが可能となり、入江崎総合スラッジセンターでは年間約7,200トン・従来比約75%のCO2削減が期待できる。

 2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けて、下水道事業分野においても国や自治体の動きが活発化している。今後同社も、「OdySSEA」を軸に、老朽化した焼却炉の改築更新や、稼働中の焼却炉に廃熱回収発電設備を追加することなどで、顧客の多様なニーズに最適な解決策を提案していく。

※ システム名称。Ody(汚泥)、Smart(賢く)、Superior(優れ)、Ecological(環境にやさしく)、Advanced(先進的)に由来し、「新型汚泥焼却技術」の先進性を表現。 https://www.jfe-eng.co.jp/news/2019/20190806.html 参照

<案件概要>

発注者:川崎市上下水道局

受注者:JFEエンジニアリング株式会社

事業名:川崎市上下水道局入江崎総合スラッジセンター汚泥処理施設更新工事

建設場所:入江崎総合スラッジセンター

事業内容:

(1)新1系汚泥処理施設の設計及び建設(約150t-脱水ケーキ/日)

(2)既存1系汚泥処理施設の撤去 

工期:

(1)設計建設:契約締結日~2025年12月

(2)撤去:2026年1月~2026年12月 

 ニュースリリース