日本パイオニクス、半導体製造プロセス用ガス精製装置の製作棟建設

・半導体メーカーの生産増強と製造設備の大型化に対応

 エア・ウォーター(本社:大阪市中央区)は10月15日、グループで、ガス精製装置や排ガス処理装置の製作・販売を行う日本パイオニクス(本社:神奈川県平塚市)が、半導体メーカーの生産能力増強と製造設備の大型化に対応するため、同社の平塚工場内にガス精製装置(画像は標準流量タイプ)を製作するための新棟を建設すと発表した。新棟の着工は2022年4月、完工は2022年11月の予定。

 エア・ウォーターの産業ガス関連事業においては、市場規模が急拡大するエレクトロニクス関連領域を今後のさらなる事業成長の牽引役と捉えている。国内で進行する大手半導体メーカー各社の生産増強に対応して、半導体の製造プロセスに不可欠な窒素ガスをパイプライン供給するため、過去に例のない規模となる大型オンサイトプラントの建設を進めるとともに、ガス精製装置、半導体製造装置用の電熱ヒーター機器、特殊ケミカル材料やその供給機器といった周辺分野の事業領域を合わせて拡大し、エレクトロニクス分野において世界のガスメジャーに比肩するポジションの獲得を目指している。

 日本パイオニクスは、1962年の創業以来、高度な触媒・吸着技術を活かし、半導体の製造工程において不可欠なガス精製装置や排ガス処理装置の製作・販売を行っており、日本をはじめ台湾、中国、米国など世界の半導体メーカーに豊富な納入実績を有している。中でも、各種ガスの純度を高める常温吸着式精製装置「VPEシリーズ」は、世界最高水準のガス精製技術と環境・安全性能を兼ね備えた装置であることから高い評価を受けている。

 昨今、全世界的に半導体工場の新設や拡張が相次いで計画され、同時に製造設備の大型化も進んでいる。これに伴い、日本パイオニクスが製作するガス精製装置においても、大型装置の需要が急速に高まっているため、それに対応した新棟を建設し、より効率的なガス精製装置の製作体制を構築する。なお、新棟の稼働により、ガス精製装置の製作能力は現行比1.6倍を見込んでいる。

 なお、2021年8月、エア・ウォーターグループの日本電熱(長野県安曇野市)が、国内大手半導体製造装置メーカー向け熱制御機器の製造に特化した新棟を安曇野本社工場内に建設することを発表した。今回はこれに続く半導体製造関連向けの機器事業の設備投資となる。

<建設する新棟の概要>

所在地:神奈川県平塚市田村3-3-32

面積:延床面積820㎡

構造:鉄骨造 平屋建

スケジュール:着工2022年4月、完工2022年11月末(予定)

投資額:約4億円(製作設備を含む)

<日本パイオニクス株式会社の会社概要>

会社設立:1962年7月

資本金:3億円

代表者:代表取締役社長 荒川 秩(さとし)

売上高:約50億円(2021 年度 見込み)

従業員数:109名(2021年3月末現在)

株主:エア・ウォーター株式会社 100%

 ニュースリリース