三菱重工、豪州の66万kW級火力発電所向けガスタービンを2基受注

・スノーウィー・ハイドロ社が進めるHunter Power Projectで

・将来の豪州国内電力需給ひっ迫に対応する電源として、2023年に運転開始へ

・再生可能エネルギー由来電源急増への調整力拡充も狙い、CO2削減へ水素混焼も視野に

 三菱重工業は10月18日、豪州の電力会社スノーウィー・ハイドロ社(Snowy Hydro Limited)が同国南東部のニューサウスウェールズ州で進めるガス焚き火力発電所建設計画「Hunter Power Project」向けに、M701F形ガスタービン2基を中核とする発電設備を受注したと発表した。

 新設する発電所の電力供給能力は66万kW級で、2023年の商業運転開始を予定している。CO2排出削減の観点から、プラントとして将来的には15%(体積比による混合比率)の水素混焼も検討されている。

 同発電所は、豪州の最大都市シドニーから北方約120kmのハンター・バレー(Hunter Valley)に位置している。近く、国内既存の大型石炭焚き火力発電所が稼働を終えることに対応して、クリーンな代替電力の確保ならびに再生可能エネルギー由来電源急増への調整力拡充を目的にプロジェクトが進められているもの。

 三菱重工は、豪州の現地法人を通じて、日本国内からM701F形ガスタービン、発電機、関連補機などを供給する。ガスタービン2基は、三菱重工の高砂製作所(兵庫県高砂市)で製作し、発電機は三菱電機製を採用する。

 今回の契約に際し、現地窓口である三菱パワー・オーストラリア(Mitsubishi Power Australia Pty. Ltd.)のCEOである西山 次郎は次のように述べている。「三菱重工のM701F形ガスタービンは、世界最高効率かつ99%以上の高い信頼性を誇り、世界各地で多くの納入実績があります。三菱重工のガスタービンが、再生可能エネルギーの増加にあわせ、豪州の電力安定供給に貢献できることを大変喜ばしく思います。また、M701F形ガスタービンは水素と天然ガスの混焼による発電が可能で、水素30%までの混焼に対応できるほか、CO2排出ゼロを達成する水素専焼に向けても技術開発が進められています」。

 三菱重工は、高効率で環境に優しいガスタービンによる火力発電設備の普及に力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していく。

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