デンカ、大牟田工場に次世代の高機能球状フィラー製造設備を増強

・50 億円の戦略投資で 5G・xEV 向け機能性フィラー製品群を拡充し、スペシャリティー事業を強化

 デンカ(本社:東京都中央区)は10月13日、スペシャリティー事業の成長加速のため、大牟田工場(画像、福岡県大牟田市)において、50 億円の戦略投資による次世代の高機能球状 フィラー製造設備の増強を決定したと発表した。半導体を含む高速・大容量データ通信(5G)・自動車の電 動化(xEV)における高信頼製品の需要増を見込んで、球状シリカや球状アルミナ、球状マグネシアの高機 能グレードの生産能力を増強するために製造設備を新設する。

 デンカは 1915 年の創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、 球状シリカ、窒化ホウ素、窒化ケイ素、球状アルミナ、蛍光体など様々な機能性セラミックスを製造している。球状シリカは低熱膨張性を活かし半導体封止材料や半導体パッケージ基板などに、球状アルミナは高熱伝導性を活かし、車載、通信など多岐に渡る放熱材料として広く使用され(*)、市場から高い評 価を受けている。

 今回の戦略投資により、これら基盤技術の高機能化を推進し、5G の伝送損失低減に対応する低誘電正接シ リカ、微細化する先端半導体に適応した球状シリカ、更には深刻化する電子機器の熱対策を球状アルミナ とともに強力にサポートする球状マグネシアなど、中長期的な高機能フィラーの需要に対応すべく、高度 なフィラー制御技術を集約し、設備を増強することで、当該高機能分野でのデファクトスタンダード化を進めていく。さらに Beyond 5G(6G)や xEV 等の更なる進化に伴うニーズにもスピード対応できるよう、当該設備を活用していく。

 デンカは経営計画「Denka Value-Up」において、5G・xEV を中心とした環境・エネルギー分野を重点分野の 1 つと位置付け、同分野における 22 年度の営業利益 220 億円を目指している。今後も SDGs を羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけ がえのない企業を目指していく。

(*) 車載リチウムイオンバッテリー、車載センサー(ADAS・LiDAR)、5G 通信、IoT 化 など。

<投資概要>

投資拠点:大牟田工場(福岡県大牟田市新開町 1 番地

投資内容:次世代先端球状フィラー工場設備の増強および新設

投資金額:50 億円(見込)

 ニュースリリース