DMG森精機、5軸複合加工機ベースのレーザ金属積層造形機を開発

・金属積層造形 と旋削・ミーリングをワンチャッキングで実現

 DMG森精機は9月30日、旋削とミーリング を 1台で行う複合加工機にレーザ金属積層造形技術であるアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing 以下、 AM)を融合し、切削加工と金属積層造形をワンチャッキングで実現するレーザ金属積層造形機 LASERTEC 3000 DED hybridを開発したと発表した。

 積層造形の市場は、従来の切削加工では困難な形状を造形することができるため、近年飛躍的に成長を続けており、今後も金型、半導体エレクトロニクス、医療、航空宇宙など、さまざまな分野の製造現場で導入が進み、金属積層造形機だけでなく、金属粉末材料や造形品の市場もそれぞれ拡大していくと考えられている。

 また生産形態の多様化に伴い、多品種少量生産を行う企業が増加しており、金属積層造形、コーティング、欠損箇所の補修などの付加加工と、切削除去加工の工程集約の需要が高まっている。

 LASERTEC 3000 DED hybridは複合加工技術と金属積層技術を1台に融合し、切削加工と金属積層造形を 1台で行う DED*1方式のレーザ金属積層造形機。DED方式は、ノズルから金属材料粉末の噴射とレーザの照射を同時に行い、レーザで金属材料粉末を溶融、凝固させて積層する方式。造形時間が早く、大型ワークの積層に適しており、LASERTEC 3000 DED hybridでは、φφ400 mm××1,321 mm*2までの積層に対応する。パウダ供給装置から異なる金属材料粉末を切り替えて供給することができるため、1つの素材の上に異なる材料の積層造形が可能で、複数の素材を融合させて 1つの製品を造ることができる。また 、 パウダ供給装置は異なる金属材料粉末を混ぜ合わせて供給することもできるため、複合材の造形にも適しており、さまざまなワークの造形、補修、コーティングなどを行う。

 LASERTEC 3000 DED hybridは 旋削 /ミーリング主軸 に金属材料粉末とレーザを同時に照射する AMヘッドを搭載することで、B軸を加えた 5軸の積層造形を実現している。切削加工を行う時は AMヘッドを収納して、切削加工も段取り替え無しのワンチャッキングでできるため工程集約を実現する。また、積層状態をモニタリングする AM Assistant*3により、パウダの自動キャリブレーションやノズルの溶着検知など、積層品質を安定させてワークの不良を未然に防ぐことができる。

*1 指向性エネルギー堆積法(DED = Directed Energy Deposition)

*2 AMヘッドが縦向きの場合

*3 一部 オプション

 詳細は、ニュースリリース