清水建設、BOSCH、山﨑建設と共同で自律型建機の開発に着手

・完全無人化施工の実現を目指しDXを加速

 清水建設は9月30日、土木工事現場のデジタル化コンセプト「Shimz Smart Site Civil」の実践に向け、BOSCH(東京都渋谷区)、山﨑建設(東京都中央区)と共同で施工管理者が指定した施工要件に基づき自律的に所定の作業を遂行する自律施工型建設機械の開発に着手したと発表した。開発の初弾として、ブルドーザーによる盛土工事の自律施工システムの開発を進め、2023年度内の現場実装を目指す。

 建設業界では、熟練技能者の大量離職が懸念されており、入職者の確保と合わせて生産性の向上が喫緊の課題となっている。これらの課題に対応するためICTやAIを活用した建設機械の自動化・自律化施工を早期に現場実装することが求められている。

 新たに開発するブルドーザーの自律施工システムは、AIによる環境認識機能・自律制御機能を備えた建機側の自律ドーザーシステムと、施工管理や安全管理のモニタリング等を担う施工管理システムを核に構成される。自律ドーザーシステムは後付けが可能なデバイスで、地形・障害物の検知や走行経路・敷均し軌跡の判断、安全認識を行うAIを搭載している。管理者が施工管理システムに施工エリアや盛土高さなどの情報を入力すると、作業指示を受けた自律ドーザーシステムのAIが周囲の環境や材料を認識し、最適な走行経路や敷均し軌跡を自ら判断・計画したうえで、敷均し作業を進めていく。

 建機による自律施工の拡大は、省人化や生産性向上はもとより作業員の負荷低減や労働環境の改善に寄与し、魅力的な建設業の構築に貢献する。今後、ブルドーザーの自律施工化の取り組みを他の建設機械にも段階的に拡張するとともに他社が開発した自動化・自律化建機との連携も視野にいれながら、自動化・自律化した建機群による土木工事の完全無人化施工の実現を目指す。最終的には、稼働する重機から様々なデータを収集し、得られたデータを分析して施工管理に生かすことで施工プロセスのDX化を実現し、新しい建設生産システムを構築していく。

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