日立建機、カウンターパート・ベンチャーズのファンドに出資

・ソリューション事業の深化とDX加速のため、スタートアップとのオープンイノベーションを強化

 日立建機は9月30日、シリコンバレーを中心に活動するベンチャー・キャピタル Counterpart Ventures(本社:アメリカ合衆国カリフォルニア州/以下、カウンターパート・ベンチャーズ)が募集するCounterpart Ventures Fund II(カウンターパート・ベンチャーズ・ファンド・ツー)に出資したと発表した。日立建機は同ファンドへの出資を通じ、カウンターパート・ベンチャーズが有する豊富なネットワークを活用し、ソリューション事業の深化とデジタルトランスフォーメーション(デジタル技術を活用した業務改革:以下、DX)の加速のため、スタートアップとのオープンイノベーションをさらに強化する。

 日立建機は、中期経営計画「Realizing Tomorrow’s Opportunities 2022」において、デジタル技術の活用により、顧客とのあらゆる接点におけるソリューションの深化をめざしている。一方、近年、デジタル技術があらゆる分野で活用される中、数多くのスタートアップが新しい技術やサービスを提供している。これらスタートアップ活用による「オープンイノベーション」の強化は日立建機のソリューション深化戦略の重要な柱と位置付けている。そのため、2020年4月には「ベンチャービジネス投資推進プロジェクト」を発足させ、有望なスタートアップとの連携を進めてきた。その中で、このほど、戦略を加速するためにカウンターパート・ベンチャーズへのファンドの出資に至った。

 カウンターパート・ベンチャーズは、2018年に設立され、クラウド経由でソフトを提供するSaaS*1、顧客情報管理(CRM)、サプライチェーンマネジメント(SCM)、物流テック、ITを建設分野に応用する建設テック、IoTなどの領域で先端技術やサービスを有する、シリコンバレーを中心とした米国のスタートアップへの投資を行っている。また、事業会社での新規事業開発、リクルートのコーポレートベンチャーキャピタルでの責任者経験を持ち、オープンイノベーションに精通するパートナー西条祐介氏によるアドバイザリーサービスにも定評がある。日立建機は、同ファンドへの出資を通じて有望なスタートアップを探索し、顧客のICT施工をサポートするICT・IoTソリューション「Solution Linkage®」シリーズの拡充など新規事業の開拓、デジタル技術による営業・サービス、レンタル資産管理の効率化・品質向上など、社内のDXの加速を進めていく。また、2022年3月から始まる米州市場での独自展開*2に向けて、スタートアップとの連携も視野に入れていく。

 日立建機グループは、今後もさまざまなビジネスパートナーやスタートアップとのオープンイノベーションを強力に推進し、デジタル技術の活用により、顧客とのあらゆる接点におけるソリューションの深化をめざしていく。

*1:Software as a Serviceの略。クラウド上で提供されるソフトウエアを、インターネット経由で利用するサービスのこと。

*2:2021年8月19日発表「今後の北中南米事業戦略について

■カウンターパート・ベンチャーズ 西条 祐介氏のコメント

 このたび、日立建機の弊ファンドへの参画を心より歓迎致する。両パートナーの投資実績およびコーポレートベンチャーキャピタルでの実務経験に裏付けられたオープンイノベーションのベストプラクティスを評価頂きました。日立建機の新規事業とDXの実現に向けて、貢献していく。

■日立建機 執行役常務兼CTO、顧客ソリューション本部長 福本 英士のコメント

 このたび、カウンターパート・ベンチャーズのファンドに出資する機会を得ることができ、大変嬉しく思いる。ニーズが多様化する建設・鉱山業界において、デジタル技術の活用は非常に重要です。今回の出資を通じて、カウンターパート・ベンチャーズに有望なスタートアップの探索や新規事業の開拓をご支援いただき、日立建機のソリューション事業の深化とDX加速につなげていく。

<カウンターパート・ベンチャーズの概要>

 カウンターパート・ベンチャーズは、米国の半導体メーカーQualcomm(クアルコム)のコーポレートベンチャーキャピタル「Qualcomm Ventures(クアルコム・ベンチャーズ)」の元米国責任者のパトリック・エゲン氏、日立ソリューションズの元システム・エンジニアでリクルートホールディングス社のコーポレートベンチャーキャピタル子会社(リクルートストラテジックパートナーズ)の元代表取締役である西条祐介氏らにより2018年に設立された。

<今回出資するファンドの概要>

ファンド名:Counterpart Ventures Fund II

出資契約締結日:2021年4月28日

投資領域:北米の実業サービス、SaaS、CRM、SCM、物流テック、建設テック、IoT

運用額:約1億1,000万USドル

 ニュースリリース