キリンホールディングス(本社:東京都中野区、以下、キリン)は9月9日、キリンの独自素材「Lactococcus lactis strain Plasma(以下、プラズマ乳酸菌)」の需要増加に対応するために、乳酸菌原料を製造する拠点「iMUSE(イミューズ) ヘルスサイエンスファクトリー」(埼玉県狭山市)の製造設備を増設すると発表した。増設設備の稼働は2023年を予定しており、2023年の「プラズマ乳酸菌」菌体の年間生産能力は、現行の約2倍となる約28トンへと拡大する予定。
「プラズマ乳酸菌」は、健康な人の免疫機能の維持をサポートする乳酸菌。免疫細胞「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」にちなんで名付けられ、キリン、小岩井乳業、協和発酵バイオおよび国内外の大学・研究機関と共同でこれまで多くの論文・学会発表を行っている。
今回、キリングループでの「プラズマ乳酸菌」事業の好調な推移に加え、今後の海外での展開加速や外部導出商品の拡大などを見越して、菌体製造設備の増強を決定した。「プラズマ乳酸菌」を通じて、顧客が抱えるさまざまな健康への不安と向き合い、世界中の人々の健やかで幸せな生活に貢献する。
<設備投資の概要>
稼働開始時期:2023年春頃(予定)
導入工場:iMUSE ヘルスサイエンスファクトリー
所在地:埼玉県狭山市大字上広瀬1254 (小岩井乳業株式会社東京工場内)
敷地面積:895㎡
製造対象商品:プラズマ乳酸菌、KW乳酸菌
増強後の製造能力:28トン/年
投資額(増設設備):約9億円
■今回の設備投資の背景
1.「プラズマ乳酸菌」事業の好調
「プラズマ乳酸菌」入り商品の2021年1月~8月累計販売金額は前年比約6割増となるなど、好調に推移しており、今後も顧客の「免疫ケア」に対する興味関心の高まりや、需要拡大が続くと予想している。
2.国内での外部導出商品の拡大
2021年9月から「免疫ケア」に賛同いただける複数企業とタッグを組み、キリングループだけでは届けきれない顧客へ「プラズマ乳酸菌」入り商品を展開することで、「プラズマ乳酸菌」市場のさらなる拡大が見込まれる。
3.海外での展開を加速
現在もベトナムで「iMUSE」ブランド商品を販売し、米国と欧州のBtoBチャネルで「プラズマ乳酸菌」の菌体を販売するなど海外での販路を拡大しているが、こうした展開をさらに加速していく。
キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV※先進企業となる」ことを目指している。その実現に向けて、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス事業」の育成を進めている。その一つとして、キリングループの35年の研究から生まれた「プラズマ乳酸菌」を使用した商品をグループ横断で展開し、「免疫ケア」をしながら生活する一人ひとりの健康を支援し、明るく健康で生き生きと過ごせるような社会の実現を目指す。
※ Creating Shared Valueの略。顧客や社会と共有できる価値の創造
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