エア・ウォーター・ハイドロ、甲信越地区・水素ガス製造拠点のリニューアルと生産能力増強を発表

 エア・ウォーターグループにおいて、水素ガスの製造・販売を行うエア・ウォーター・ハイドロ(本社:東京都港区)は9月1日、甲信越地区における水素ガスの安定供給体制を確立するとともに、生産能力を増強するため、同社の二本木工場(新潟県上越市)にエア・ウォーターが開発した世界最高水準の効率で天然ガスから水素ガスを発生させることができる水素ガス発生装置「VHR」(画像)を設置することを決定し、8月1日にリニューアル工事に着手したと発表した。新工場の稼働開始は2022年4月の予定。

 エア・ウォーターグループは国内11カ所の圧縮水素製造拠点と、9カ所のオンサイト水素ガス供給拠点を有する国内屈指の水素メーカー。顧客の工場敷地内に発生装置を設置するオンサイト供給のほか、トレーラーやシリンダーによる供給など顧客の使用量や立地に応じた最適な供給形態で水素ガスを安定供給している。

 エア・ウォーター・ハイドロは、エア・ウォーターグループにおける水素ガス事業の中核会社であり、半導体・化学・ガラス・光ファイバー・造船・自動車・エネルギー・食品など幅広い産業分野の顧客に水素ガスを供給、全国各地で水素ガスの製造から輸送・販売まで一貫して手掛けている。

 こうした中、エア・ウォーター・ハイドロは、2019年にエア・ウォーターが開発した水素ガス発生装置「VHR」を二本木工場に設置し、生産プラントのリニューアルを実施する。これまで、二本木工場では、隣接する化学工場より水素ガス精製の原料ガスの供給を受けていたが、天然ガスを水蒸気改質して水素ガスを発生させる「VHR」を導入し、都市ガスの配管供給を受けることで、コスト合理化とともに、原料ガスの供給量に左右されない、自社単独での安定的な水素ガスの生産が可能となる。また、リニューアル後の生産能力は従来比1.3倍を計画しており、既存ユーザーにおける水素ガス需要の増加に対応するとともに、甲信越地区における販売を拡大する。

 エア・ウォーターグループでは、大口ユーザーを対象に「VHR」の導入を進めながら、水素ガス生産拠点の新設や既存拠点における生産能力の増強を図り、国内における水素ガスサプライチェーンの強靭化に取り組んでいる。また、こうした水素ガスの製造・供給インフラと合わせて、長年にわたり産業用の水素ガス事業で培ったガス精製やガスハンドリングなどの技術を基軸に、今後エネルギー用途での水素ガス需要の拡大が見込まれる中、水素ステーション向けの供給システムや移動式水素ステーションの製作等を通じて、水素社会の実現に貢献していく。

<設備概要>

所在地:新潟県上越市中郷区藤沢1241番2(エア・ウォーター・ハイドロ㈱二本木工場)

設備能力:水素ガス300N㎥/h (「VHR-300」1機設置)

水素ガス純度:99.999%以上

稼働開始:2022年4月(予定)

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