・地域インフラプロジェクトの成長市場でパクスティール社の存在を高める
・鉄筋年間生産量は 45 万トン
・マルチスリットモードでの圧延で小径製品の生産効率が向上
・加熱後のビレットの直接圧延で燃料費を削減
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は8月26日、パキスタンのパクスティール社(Pak Steel)より、カイバル パクトゥンクワ州ハッタル経済特区(Hattar Special Economic Zone)に位置する同社製鋼所向け棒鋼圧延機を受注したと発表した。地域インフラプロジェクト成長市場における同社の存在 を高めるこの圧延機は、直径 8 mm~40 mm のコンクリート補強用鉄筋を年間 45 万トン生産する。また、加熱された状態でビレットが圧延機に直接挿入されるため、消費エネルギーの大幅削減と一層高 い歩留まりを実現する。操業開始は 2022年第4半期の予定。
1949 年にラワルピンディで創業したパクスティール社は着実に成長を続けたパキスタンで有数の鉄鋼会社であり、同族経営のファリド ホールディングス(Farid Holdings)の一社として、コンクリート補強用鉄筋や軽量鉄骨の生産を担っている。パキスタンでは鉄筋のトップブランドである同社の年間生産量が現在の 20 万トンから 45 万トン増えて 65 万トンになれば、同国で急増する鉄鋼需要に十分に応じられることになる。ファリドホールディングスは、鉄鋼(ビレット、鉄筋、鉄骨)、ホスピタリ ティ、不動産、建設、エンジニアリング、物流の分野で事業を展開する多角的企業グループ。
同圧延機は加熱状態のビレットから直径 8 mm~40 mm の鉄筋を生産する。プラントの生産性を上げるため、直径 10 mm~12 mm は 2 条スリットモード、直径 8 mm は 3 条スリットモードを使用する。圧延ライン構成は、VHVHHV 配置の 6 スタンド粗圧延機 1 基、HVHVHV 配置の 6 スタンド中間圧延機 1基、HHHH 配置の 4 スタンド仕上げ圧延機 1 基で、16 台のスタンドすべてがハウジングのない Red Ring シリーズ 5。毎時最大 75 トンを圧延し、最大仕上げ圧延速度は毎秒 13 m。
プライメタルズテクノロジーズの先進のオートメーションによる高速圧延が、優れた延性と強度を持ち、DIN、ASTM、BSI、JIS などの国際規格に準拠する高品質棒鋼を製造する。下流工程の熱間分割せん断機は最適化システムを装備しているため、冷却床の稼働率が最大となり、事前に設定したバンドルあたりの定尺棒鋼の結束段 数が確保できる。冷却床は長さ54 m、幅8 mだが、長さは将来、66 mまで延長することができる。固定式冷間分割せん断機により圧延された棒鋼の最終切断処理が行われ、自動で結束、秤量、ラベ リングが行われる。プライメタルズテクノロジーズはまた、流体システムと、スタンバイ用 Red Ring スタンド、ガイド、ロー ルショップ用等機材のパーツも供給し、据付と試運転の指導も行う。
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