古河機械金属が8月12日に発表した2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)連結業績によると、売上高は、456億13百万円(前年同期比29.4%増))、営業利益は、21億87百万円(同176.5%増)となった。前年同期は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が世界経済に多大な影響をもたらし、同社グループの経営成績も全報告セグメントで減収減益だったが、前年同期に営業損失を計上したロックドリル部門および金属部門は、増収増益で利益計上となり、電子部門および化成品部門ならびに不動産事業も、増収増益となった。なお、産業機械部門は減収減益、ユニック部門は増収減益となった。
4~6月期の国内経済は、海外経済の回復を背景に設備投資や輸出が堅調に推移し、企業の生産活動は増産基調となっているものの、新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大を受けて、4月末から5月にかけて3回目の緊急事態宣言が発出され、断続的な行動制限を余儀なくされており、消費活動は一進一退の状況となっている。企業の設備投資や生産活動は、第2四半期以降も堅調に推移することが見込まれているが、新型コロナワクチンの接種が進むとともに消費活動が正常化し、感染拡大以前の経済活動の水準まで回復するのは、2022年以降となることが見込まれている。
■機械事業セグメントの状況
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、179億71百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は、9億2百万円(同15.3%減)となった。
<産業機械>
産業機械部門の売上高は、36億90百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益は、56百万円(同86.9%減)となった。新型コロナウイルス感染症拡大による影響については、営業活動の制約などはあるものの限定的で、第1四半期末の受注残高は、前年度末に比べ増加した。売上高については、ポンププラントやポンプ製品は、増収となったが、マテリアル機械は、部品等が減収となり、橋梁および大型プロジェクト案件は、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や境川金森調節池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について、出来高に対応した売上高を計上したが、減収となった。
<ロックドリル>
ロックドリル部門の売上高は、72億3百万円(前年同期比38.3%増)、営業利益は、1億1百万円(前年同期は3億33百万円の損失)となった。国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた前年同期に比べ、国内外ともに増収となった。特に、海外では、地域差はあるものの総じて増収となり、主として、北米においては、追加経済対策や新型コロナワクチン接種の浸透により、景気の回復ペースが加速し機械購入に積極的な状況で、油圧ブレーカ、油圧クローラドリルの出荷が大幅に増加した。
<ユニック>
ユニック部門の売上高は、70億77百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は、7億44百万円(同23.2%減)となった。国内では、広域レンタル会社の投資意欲の回復や2021年6月に販売を開始した中型トラック向け『ユニッククレーン|新型G-FORCE』の効果もあり、第1四半期のユニッククレーンの受注は堅調だったが、世界的な半導体不足の影響を受けたトラックメーカーの減産などを主因とするトラック不足が影響しクレーン架装に遅れが生じており、減収となった。一方で、海外では、コンテナ不足の影響などもあり、欧米においてミニ・クローラクレーンの出荷が減少したが、主として、中国においてユニッククレーンの出荷が増加したことにより、増収となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2022年3月期の通期の業績予想は、現時点で見直しを行わず、以下のとおり前回(2021年5月13日)発表のとおり。売上高は1,844億円、営業利益は66億円、経常利益は66億円、親会社株主に帰属する当期純利益は36億円。
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