加藤製作所、21年4~6月売上は26.9%増の146億円、利益面はマイナス

・再成長めざす「KATO Reborn Project」を立ち上げ

 ㈱加藤製作所が8月6日に発表した2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)連結業績によると、売上高は146 億7 千8 百万円(前年同期比126.9%)となり、前年同期を上回った。損益については、改善の施策開始から間もないため、営業損失は6 億3 千7 百万円(前年同期は営業損失7 億1 千万円)、経常損失は4 億7 千1 百万円(前年同期は経常損失5 億4 千4 百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は5 億1 千万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4 億7 千5 百万円)となった。

 第1四半期(4~6月)における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続き厳しい状況で推移したが、輸出や民間建設投資は持ち直しの動きが続いている。

 海外については、各国政府の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とする夜間外出禁止や隔離措置等により人の移動が厳しく制限され、経済活動に大きな影響が及んでいる。一方、各国政府の景気浮揚を目的とした経済対策により一部地域では景気が順調に回復しているが、地域的にばらつきが多く、未だ本格的な景気回復には至っていない。

 このような状況下、加藤製作所グループは、収益性の改善・資金効率性の改善、将来に向けた再成長の実現を目的として2021 年4 月「KATO Reborn Project」を立ち上げ、既に一部施策の実行に着手しているが、足元では依然として厳しい業績となっている。

 加藤製作所2022年3月期第1四半期データ

■セグメント別の状況

<日本>

 国内向け建設用クレーンは、民間住宅投資の回復により小型機種を中心として販売台数が増加したが、中大型の伸びは見られず売上高は54 億4 千4 百万円(前年同期比100.8%)の小幅な伸びに留まった。海外向け建設用クレーンは、アジア向けが増加し、売上高は17 億9 千2 百万円(前年同期比188.0%)となった。

 国内向け油圧ショベル等は、民間工事需要の回復から販売が増加し、売上高は30 億6 千6 百万円(前年同期比143.0%)となった。海外向け油圧ショベル等は、アメリカ向けが増加し、売上高は14 億3 千3 百万円(前年同期比119.0%)となった。

 これにより、日本の売上高は120 億2 千4 百万円(前年同期比122.2%)となり、セグメント損失は4 億8 千6 百万円(前年同期はセグメント損失8 億5 千9 百万円)となった。

<中国>

 油圧ショベル等は、インフラ投資の鈍化や中国地場メーカーのシェア拡大を背景に厳しい販売環境にあるが、中国の売上高は23 億2 百万円(前年同期比136.1%)となり、セグメント損失は4 億2 千2 百万円(前年同期はセグメント利益2 億3 千1 百万円)となった。

<その他>

 その他地域においては、クレーン・ショベルともに販売台数が増加し、売上高は10 億1 千6 百万円(前年同期比161.7%)となり、セグメント損失は0 百万円(前年同期はセグメント損失1 億1 千6 百万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

<建設用クレーン>

 国内は、新型コロナウイルス感染症の影響下、小型機種を中心に販売台数が増加したが、売上高の回復には至らず54 億4 千4 百万円(前年同期比100.8%)となった。海外は、アジア向けを中心に販売が回復し、19 億1千1百万円(前年同期比198.7%)となった。よって、建設用クレーンの売上高は73 億5 千6 百万円(前年同期比115.6%)となった。

<油圧ショベル等>

 国内は、需要が堅調に推移し、売上高は30 億6 千6 百万円(前年同期比143.0%)となった。海外は、中国や欧州の一部地域で需要の回復があったため売上高は39 億6 千7 百万円(前年同期比136.0%)となった。これにより、油圧ショベル等の売上高は70 億3 千3 百万円(前年同期比139.0%)となった。

<その他>

 その他については、国内の路面清掃車等の増加により、売上高は2 億8 千8 百万円(前年同期比200.6%)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 2022 年3 月期通期の連結業績予想においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内景気は一部に回復の兆しは見られるものの本格的な回復の見通しは立たず、先行きは不透明な状況が続いている。海外においても、地域性があるものの新型コロナウイルス感染症の影響により、未だ本格的な景気回復には至っていない。

 2022年3月期連結業績予想は、売上高は前期比12.3%増の657億円、営業利益△26億円、経常利益△29億円、親会社株主に帰属する当期純利益△31億円。

 このような状況の中、同社は事業環境に合わせた方針を策定し、早期に業績改善を行い、将来に向けた再成長を実現していくために、2021 年4 月に「KATO Reborn Project」を立ち上げた。

 詳細については、「KATO Reborn Project について」を参照。

 加藤製作所の2022年3月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算説明資料