井関農機が8月6日に発表した2021年12月期第2四半期(1~6月)連結業績によると、売上高は、前年同期比14,427百万円増加し、86,672百万円(前年同期比20.0%増加)となった。
国内においては、消費増税反動減からの回復や経営継続補助金などに伴う需要喚起もあり農機製品及び作業機が増加したほか、補修用部品および修理整備等のメンテナンス収入が堅調に推移した。一方、施設工事は大型物件の受注・完工が減少となったが、国内売上高全体では前年同期比5,381百万円増加の62,630百万円(前年同期比9.4%増加)となった。
海外においては、北米では好調なコンパクトトラクタ市場を背景に増加、欧州ではライフスタイルの変化によるコンシューマー向けを中心とした好調な販売に加え、為替円安影響により増加、アジアでは前期末にタイの販売代理店を連結子会社化したことや、中国向け半製品の出荷増などにより増加し、海外売上高は前年同期比9,045百万円増加の24,041百万円(前年同期比60.3%増加)となった。
営業利益は、増収による売上総利益の増加に加え、前期に計上があった部品在庫評価損の剥落などの特殊要因もあり、前年同期比3,450百万円増加の4,721百万円(前年同期比271.6%増加)となった。経常利益は、為替差損益や持分法投資損益の好転に加え、受取和解金の計上等により、前年同期比4,439百万円増加の5,508百万円(前年同期比415.4%増加)、税金等調整前四半期純利益は、前年同期に計上された持分変動利益がなくなったものの、前年同期比3,811百万円増加の5,418百万円(前年同期比237.2%増加)となった。親会社株主に帰属する当第2四半期純利益は、前年同期比3,147百万円増加の4,127百万円(前年同期比321.2%増加)となった。
■経営成績に関する説明
2021年1~6月における国内経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 拡大の影響から、政府の緊急事態宣言再発出やまん延防止等重点措置を受けた経済活動の自粛など厳しい状況が続いた。企業収益や設備投資などで一部持ち直しの動きも見られた一方で、個人消費がサービス支出を中心に弱含みで推移していることなどもあり、依然として先行きに不透明感が残っている。海外については、同感染症の感染拡大防止に向けたワクチン接種の進展に伴い、一部で持ち直しの動きが見られたものの、変異株による新たな感染拡大により依然として厳しい状況で推移した。
このような状況の中、井関農機グループは、国内においては顧客対応の充実など農業構造変化への対応強化、海外においては主力市場である北米、欧州、アジアでの販売強化に努めた。
■商品別の売上状況
<国内>
整地用機械(トラクタ、乗用管理機など)は14,705百万円(前年同期比10.1%増加)、栽培用機械(田植機、野菜移植機)は6,445百万円(前年同期比16.9%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は4,825百万円(前年同期比11.6%増加)、作業機・補修用部品・修理収入は23,665百万円(前年同期比14.8%増加)、その他農業関連(施設工事など)は12,988百万円(前年同期比3.3%減少)となった。
<海外>
整地用機械(トラクタなど)は18,183百万円(前年同期比66.9%増加)、栽培用機械(田植機など)は1,722百万円(前年同期比32.4%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は1,009百万円(前年同期比13.8%増加)、作業機・補修用部品は1,968百万円(前年同期比45.0%増加)、その他農業関連は1,157百万円(前年同期比109.1%増加)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
第2四半期は前年同期比で増収増益となったが、第3四半期以降、国内では経営継続補助金などに伴う需要喚起の反動や米価低下懸念による購買意欲減退、海外では新型コロナウイルス感染症影響に伴うサプライチェーンの混乱、また、原材料価格の高騰と高止まりの影響などのリスクが想定される。
2021年12月期の連結業績見通しは、下期にかけてのリスク要因を織り込み、売上高153,500百万円(前期比2.8%増)、営業利益3,600百万円(同72.7%増)、経常利益3,500百万円(同105.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(前期は△5,641)と、前回予想を据え置いている。
第2四半期決算説明資料(8月17日追加)
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