㈱ソディックが8月6日に発表した2021年12月期第2四半期(1~6月)連結業績によると、売上高345億4百万円(前年同期比29.2%増)、営業利益27億14百万円(同685.9%増)、経常利益37億84百万円(同943.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益26億48百万円(前年同期は105百万円)となった。
1~6月の経済状況は、中国に次いで欧米などの先進国経済の持ち直しなどにより、総じて緩やかな回復基調にある。今後は新型コロナウイルスワクチンの普及による経済活動の正常化に伴い、経済はより一層の回復に向かうものとみられるが、新型コロナウイルスの状況については不確実性が大きいほか、世界的な半導体不足、米中対立の長期化など、依然として先行きは不透明な状況が継続している。
このような事業環境の中、ソディックグループは、長期経営計画「Next Stage 2026 ~Toward Further Growth~」を掲げ、「創造」「実行」「苦労・克服」という創業精神を基盤に豊かな未来につながる技術を磨き、ものづくりを通して持続可能な社会の実現にチャレンジしている。
営業・サービス活動においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりリアルでの展示会が開催されないことや客先訪問による対面でのサービスが困難となる状況の中、Web展示会「Sodick NEW Machining Solution2021」を開催し、ソディックの最新機種・技術の情報発信をしている。今後もWeb展示会の更なるコンテンツの追加やリモートツール等のITを活用した活動の強化に努めていく。
■セグメントの経営成績
<工作機械事業>
売上高 24,145百万円 (前年同期比 41.5%増 )、営業利益 3,156百万円 (同 2,214百万円増 )
中華圏において自動車や電子部品、5G関連、半導体関連分野で引き続き堅調であり、欧米での持ち直しの動きが継続した結果、売上高は前年同期比で増加した。一方で、足元での受注は高水準で推移しているものの、半導体をはじめとする部材調達のひっ迫等によりリードタイムの長期化が懸念される状況である。
セグメント利益においても販売台数の増加に伴う工場稼働率の向上等により前年同期比で大幅に増加した。
<産業機械事業>
売上高 4,628百万円 (前年同期比 12.9%減 )、営業利益 177百万円 (同 98百万円減 )
北米の医療関係は好調が継続したほか、第2四半期においては日本及び中華圏で自動車・電子部品向けの販売が増加したものの、前年第4四半期における短納期対応の影響により第1四半期が低調に推移したため、売上高は前年同期比で微減となった。足元では工作機械事業と同様、半導体不足の影響により日本・中華圏では一服感が見られている。
<食品機械事業>
売上高 2,521百万円 (前年同期比 66.4%増 )、営業利益 205百万円 (同199百万円増 )
各種製麺機、麺製造プラント、無菌包装米飯製造装置、製菓・惣菜向けの設備などの開発・製造・販売、その保守サービスを行っている。衛生面及び省人化対応設備や外出自粛に伴う巣ごもり需要に関連した案件が継続したほか、海外においても製麺機や米飯製造装置の販売があった結果、売上高は前年同期比で増加した。
<その他>
売上高 3,209百万円 (前年同期比 14.3%増 )、営業利益 426百万円 (同 207百万円増 )
精密コネクタなどの受託生産を行う金型成形事業、リニアモータやセラミックス部材の販売等を行う要素技術事業から構成されている。情報通信設備等の需要増によるセラミックスの需要は継続した一方で、金型成形事業においては、世界的な半導体不足により自動車産業の需要は減速しているものの、自動化ラインによる生産性向上や高付加価値部品などの生産品目の拡大により、売上高は前年同期比で増加した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021 年12 月期通期連結業績予想については、中華圏での自動車、電子部品、5G、半導体分野向けの放電加工機の需要が高水準で推移しているのに加え、欧米での持ち直しの動きも継続したことにより、売上高は当初(2月12日)の会社予想を上回る見込み。また、利益面についても、売上高の増加に加え、生産台数の増加に伴い工場の収益性が改善したことにより、各利益とも前回発表の想定を上回る見込みであることから、通期連結業績予想を以下のとおり修正した。
売上高718億円(前期比23.7%増)、営業利益61億円(同229.3%増)、経常利益70億円(同242.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益49億円(同263.8%増)。
なお、上記の修正予想の前提となる下期の主な為替レートは、1ドル108 円、1ユーロ128 円を想定している。
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