牧野フライス製作所、21年4~6月売上は56.9%増の369億円

 ㈱牧野フライス製作所が7月30日に発表した2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)連結業績によると、売上高369億39百万円(前年同期比56.9%増)、営業利益9億20百万円、経常利益16億26百万円、純利益12億47百万円となった。

 連結受注は521億円75百万円(前年同期比102.2%増)と、大幅に増加した。前年同期に比べ、新型コロナウイルス感染症の影響から経済が立ち直ってきたことに伴い、すべての地域で受注が増加した。特に、中国とアメリカにおいて、受注が第1四半期に集中した。短納期の要求に対応できたことで、多くの受注を獲得した。

 第1四半期の受注は、多くのまとまった受注があったことで期初の想定を大きく上回り、第2四半期の受注も高水準となる見通しのため、2021年4月30日に公表した業績予想を修正した。

 牧野フライス2022年3月期第1四半期データ

■報告セグメント別の受注状況(現地通貨ベース)

<セグメントⅠ> ( 牧野フライス製作所「個別」および国内連結子会社)

 牧野フライス製作所の国内受注は、前年同期を上回った。自動車の金型向けや、半導体製造装置の部品加工向けを中心に増加した。政府の補助金施策も後押しした。第2四半期も、第1四半期と同様の状況が継続し、回復傾向が続くと見ている。

<セグメントⅡ> ( MAKINO ASIA PTE LTD )

 アジアは全地域で前年同期を上回った結果、過去最高となった。中国は、金型向けでは電気電子関連の増加傾向が続いた。自動車の部品加工向けでは、プラグインハイブリッド車向けでまとまった受注を獲得した。商用車のディーゼルエンジン向けの受注も好調が続いた。

 第2四半期の中国は、第1四半期同様まとまった引き合いがあることに加え、電気電子の金型向けや、油空圧関連の部品加工向けなど、幅広い産業からの引き合いがあり、高水準を維持すると見ている。

 インドにおいては、自動車のほか、スマートフォン向けの受注があり前年同期を上回った。第2四半期も、内製化を促すインド政府の補助金施策の後押しもあり、自動車向けをはじめとした受注が継続すると見ている。

 アセアン地域は、コロナウイルスによる影響が大きかった中でも、自動車や半導体製造装置向けを中心に前年同期を上回った。第2四半期も同様の状況が続くと見ている。

 <セグメントⅢ> ( MAKINO INC. )

 アメリカでは、前年同期を上回った。自動車をはじめ、半導体製造装置や医療向けなど、幅広い産業の顧客からのリピート受注が第1四半期に集中した。航空機向けの受注は低迷が続いた。第2四半期は、第1四半期に集中した受注が落ち着くことで、前四半期に比べ減少すると見ている。

<セグメントⅣ> ( MAKINO Europe GmbH )

 欧州では、前年同期を上回った。経済活動の再開に伴い、自動車や半導体製造装置向けの受注が増加した。イタリアでは政府補助金が受注の後押しをした。第2四半期は夏季休暇がある中でも、引き続き受注が増加すると見ている。第1四半期に受注が想定を上回り急増したことで、受注から出荷までのリードタイムが延びている。同社は、部品調達においてはコスト管理ならびにサプライヤへの先行発注や増産の依頼、製造現場においては人員確保をはじめとした増産対応を進め、顧客への製品供給の納期遵守に努める。

■連結業績予想に関する定性的情報

 第1四半期の受注は、多くのまとまった受注があったことで期初の想定を大きく上回り、第2四半期の受注も高水準となる見通しのため、2021年4月30日に公表した業績予想を以下のとおり修正した。

 売上高は前期比41.3%増の1,650億円(前回予想1,450億円)、営業利益71億円(20億円)、経常利益81億円(26億円)、親会社株主に帰属する当期純利益60億50百万円(15億円)。

 牧野フライス製作所の022年3月期第1四半期決算短信