住友重機械工業が7月30日に発表した2022年3月期第1四半期(2021年4~6月)連結業績によると、受注高は2,432億円(前年同期比39.2%増)、売上高は2,163億円(同19.7%増)となった。損益面については、営業利益は150億円(同114.7%増)、経常利益は151億円(同164.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は93億円(同255.7%増)となった。
第1四半期における取り巻く経営環境は、国内においては、依然新型コロナウイルス感染拡大の 影響が残るものの、製造業を中心に設備投資に回復が見られ、海外においては、欧米や中国などで経済の回復を背景に 設備投資が回復し、世界的に機械需要は増加基調となった。
一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響が残る一 部の地域や業種では、回復の動きが遅く、二極化の動きが見られた。また、これに加え、米中貿易摩擦の深刻化、地政学上のリスクの継続及び原油価格の変動と低迷など、不透明感が残る状態でもあった。
このような経営環境のもとだが、同社グループは「中期経営計画2023」を策定し、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することを目指し、強靭な事業体の構築、企業価値向上のための変 革、SDGsへの貢献拡大、環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進した。
■部門別の状況
「中期経営計画2023」の方針を踏まえ、2022年3月期より報告セグメントを下記のとおり変更した。「機械コンポーネント」、「精密機械」、「建設機械」、「産業機械」、「船舶」、「環境・プラント」から、「メカトロニクス」、「インダストリアル マシナリー」、「ロジス ティックス&コンストラクション」、「エネルギー&ライフライン」に変更した。また、前年同期の数値については、新セグメントの区分に組替えている。
<メカトロニクス部門>
国内、欧米、中国で、中小型の減・変速機やロボット用精密減速機、モータの需要が増加し、受注、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は451億円(前年同期比30%増)、売上高は353億円(同16%増)、営業利益は8億円となった。
<インダストリアルマシナリー部門>
プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要増加や欧米での需要増加により、受注、売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、半導体関連の需要が増加したことから受注は増加したものの、半導体関連の受注残が前年に比べ減少したことから売上、営業利益はともに減少した。
この結果、受注高は668億円 (前年同期比73%増)、売上高は494億円(同14%増)、営業利益は39億円(同24%増)となった。
<ロジスティックス&コンストラクション部門>
油圧ショベル事業は、国内や中国の市場が堅調だったことや北米地区の需要が回復してきたことから、受注、売上、営業利益ともに増加した。
その他の事業では、建設用クレーン事業が、国内や北米地区の需要が回復してきたことから、受注、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は922億円(前年同期比45%増)、 売上高は837億円(同27%増)、営業利益は62億円(同123%増)となった。
<エネルギー&ライフライン部門>
エネルギープラント事業は、前年に欧州でバイオマス発電設備の大型案件を受注していたことなどから当期の受注は減少し、主に国内で受注残があったことから売上、営業利益はともに増加した。その他の事業では、船舶をはじめ受注は増加し、売上は減少したが、売上の構成が変化したことなどにより営業利益は増加した。
この結果、受注高は376億円(前年同期比3%増)、売上高は462億円(同16%増)、営業利益は36億円(同321%増)となった。
<その他部門>
受注高は15億円(前年同期比13%増)、売上高は16億円(同11%増)、営業利益は7億円(同82%増)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年5月10日に下記のとおり公表した2022年3月期の連結業績予想については、修正は行っていない。
売上高8,700億円(前期比2.5%増)、営業利益500億円(同2.6%減)、経常利益460億円(同7.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益270億円(同0.9%増)。
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