・PTTEP Bundled Project Phase-3を受注
日鉄エンジニアリング(本社:東京都品川区)は7月16日、タイ国現地子会社であるTNS社(※1)が、タイ国 PTTEP社(※2)と、天然ガス開発用のウェルヘッドプラットフォーム(以下、WHP)および海底パイプライン(以下、海底PL)の建設に関する長期大型契約Bundled Project Phase 3(以下、同プロジェクト)を締結したと発表した。
同プロジェクトは、タイ国の天然ガス生産を支えるタイのエネルギー安全保障にとって非常に重要なプロジェクトであり、Phase 1(2011~2015年)、Phase 2(2015年~現在実行中)に続く長期大型契約の連続受注となる。
同プロジェクトでは、5年間(※3)にわたりWHP約40基・海底PL約280km(7km/連(※4)x40連)を建設する(受注金額約1,000億円(※5))。TNS社がWHPの設計・調達・製作および既存WHPの改造工事、日鉄エンジニアリングがWHPの海上輸送・施工(据付)および海底PLの設計・調達・敷設を担当。WHPの施工および海底PLの敷設は、日鉄エンジニアリングが保有する海洋作業船「くろしお」を中心に行う。
日鉄エンジニアリンググループは、タイ湾において1970年代から累計でWHP約230基、海底PL2,300kmの建設を通じ、タイ国の経済成長とエネルギー安全保障(国産天然ガスはタイの電力生産源の4割強を占める)に貢献してきた。同プロジェクトは、これまで培ってきたPTTEP社との信頼関係に加え、自社開発自動溶接機による海底PL敷設速度の向上や、サプライチェーンの拡充・スマートファクトリーの推進(※6)等、これまで取り組んできた生産性向上施策をベースにした日鉄エンジニアリングプロポーザルが高く評価され、受注に至ったもの。
同プロジェクトの実行を通じて、プロジェクトマネジメント、品質・工程管理等の面で顧客からのより一層の信頼を獲得するとともに、老朽化したWHPや海底PLの撤去・再利用、IoTの活用による生産性向上等、多様化する業界のニーズに対し、社内外の技術を活用した新たなソリューションの提供も視野に入れている。
タイ湾及び周辺諸国には未開発の天然ガス田が多数存在しており(※7)、日鉄エンジニアリンググループはこれらの資源開発プロジェクトにも参画していく。
また、日鉄エンジニアリングは、長年にわたる海洋鋼構造物の設計・調達・製作・輸送・施工の豊富な実績と知見を有する日本唯一の総合エンジニアリング企業として、日本国内で需要が高まる次世代再生可能エネルギーである洋上風力発電施設の建設に積極的に取り組んでいる。TNS社でも、近年、海洋エネルギー資源開発分野以外の工場、陸上プラント、環境施設への取り組みを強化している。
日鉄エンジニアリンググループは、幅広く社会・産業のサステナブルな発展に貢献していく。
※1:TNS社(THAI NIPPON STEEL ENGINEERING & CONSTRUCTION CORPORATION, LTD.)は、石油天然ガス開発用のウェルヘッドプラットフォーム(以下「WHP」)の加工拠点として、1987年にタイに設立されたグループ会社。WHPの設計、調達、製作及び改造工事等を行う。現在、タイを中心に石油天然ガス分野以外の陸上プラントの建設にも積極的に事業展開を行う。
※2:PTTEP社(PTT Exploration and Production Public Company Limited)は、タイ湾を中心に天然ガス・石油などの探鉱・開発・生産等を行うタイ国営企業。
※3:WHPの加工契約は5年、WHP・海底PLの洋上施工契約は3年。
※4:過去の実績値から想定した海底PLの平均延長。
※5:同契約は複数フェーズに分かれており、フェーズ毎にWHP・海底PLの着工指示(基数・本数・仕様等含む)を施主から受領し、フェーズ毎に契約金額が順次確定。
※6:IT技術を活用しJust in Time生産促進による最適化や生産管理情報の見える化を促進し生産性を向上させる取組み。
※7:カンボジア・タイの共同開発エリア等。
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