日立造船イノバ、バイオガス関連企業2社を買収

・バイオガス事業の運営・メンテナンスを拡大

 日立造船は7月13日、100%子会社で、ごみ焼却発電プラントの設計、建設、保守などを手がけるHitachi Zosen Inova AG(日立造船イノバ、スイス、以下、HZI)が、ドイツのViessmann Industriesysteme GmbH(ヘッセン州、Eder)との間で、同社傘下のSchmack Groupでバイオガス事業を手がけるSchmack Biogas Service GmbH(以下、SBS社)およびmicrob Energy GmbH(以下、ME社)の全株式を取得することを契約したと発表した。

 HZIは、2014年にバイオガス事業に参入しており、乾式メタン発酵技術「Kompogas®(コンポガス)」を保有している。HZIはドイツ、スイス、イタリア、北米などに100施設の建設実績を有し(建設中のものを含む)、運営やメンテナンス事業の強化にも取り組んできた。Schmack Groupはドイツを中心に主に湿式メタン発酵技術のバイオガス事業を展開しており、同グループでメンテナンス事業を手がけるSBS社と、研究開発を手がけるME社を傘下に加えることで、HZIは乾式と湿式の両バイオガス技術の研究開発から設計、建設、運営およびメンテナンスを一貫して行うことが可能となる。

 また、同社グループのHitachi Zosen Inova Bio Methan GmbH社では、CO2除去などの精製を行うことでより純度の高いバイオガスにアップグレードさせる技術を有しており、欧州を中心に100件以上の納入実績がある。欧州では精製されたバイオガスが一般家庭への供給や自動車燃料などにも使用されている。

 日立造船グループは、ごみ焼却発電(Energy-from-Waste)プラントの建設や運営をグローバルに展開し、ごみの衛生的処理や発電によってSDGsに貢献しているが、バイオガスやメタネーションなど近年になって注目されている技術にも古くから取り組んでおり、同分野におけるリーディングカンパニーとしてバイオガス関連事業においてもSDGsに貢献していく。

 今回グループ会社に加わる2社の概要は次のとおり。

<SBS社>

名称:Schmack Biogas Service GmbH

所在地:ドイツ、バイエルン州Schwandorf

事業内容:バイオガスプラントのメンテナンス

設立年:2010年1月

資本金:約3億2,000万円

<ME社>

名称:microb Energy GmbH

所在地:ドイツ、バイエルン州Schwandorf

事業内容:バイオガスプラントの研究開発

設立年:2012年3月

資本金:約4,200万円

 ニュースリリース