竹内製作所、第1四半期(2021年3~5月)売上は29.5%増の333億円

 ㈱竹内製作所が7月8日に発表した2022年2月期第1四半期(2021年3~5月)連結業績によると、売上高は333億3千2百万円(前年同期比29.5%増)となった。利益面については、コンテナ単価の高騰や出荷台数の増加に伴う運搬費の増加、製品保証引当金繰入額の増加等の減益要因はあったものの、販売台数の増加に伴う売上高の増加等により、営業利益は42億2百万円(同41.2%増)、経常利益は43億2千1百万円(同48.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金費用を11億6千6百万円計上したことにより、31億5千5百万円(同49.8%増)となった。

 主力市場である米国及び欧州の第1四半期の経済は、概ね以下のとおり推移した。

 米国では、新型コロナウイルス対策として政府により実施された現金給付やワクチン接種の進展を背景として、個人消費が大きく増加した。住宅市場においては、建材不足等の懸念はあるものの、住宅需要そのものは力強さを維持し、設備投資においても、規制措置の緩和や経済対策が追い風となり、堅調に推移した。

 欧州では、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、春先にかけて景気は後退したが、その後のワクチン接種の進展と感染者数の増加ペースの鈍化とともに、先送りされてきた個人消費や設備投資に持ち直しの動きが見られた。

 新型コロナウイルス対策の切り札とされるワクチン接種は、各国の進捗状況に違いはあれ、社会経済活動の正常化に向けて成果を上げつつあり、予断を許さない状況を脱し切れてはいないものの、長らく続いた先行き不透明感に薄日が差し始めた。

 このような環境下にあっても、水道管やガス管等の生活インフラの公共工事が欧米ともに活況で、特に米国では新築・増改築や庭整備等の住宅関連工事が各地で盛んに行われており、製品需要は好調に推移した。

 また、2021年2月にはミニショベル「TB325R」を市場投入し、既存機種も含めた豊富なラインナップで積極的な販売活動を展開した。この結果、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの第1四半期の販売台数は、新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前年同期に比べて、大きく増加した。

 竹内製作所2022年2月期第1四半期データ

■セグメント別の経営成績

(日本)

 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前年同期に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、欧州ディストリビューター向けのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加し、売上高は135億1千9百万円(前年同期比41.0%増)となった。セグメント利益は、運搬費や製品保証引当金繰入額の増加等があったものの、売上高が増加したこと、及び円安により欧州ディストリビューター向けの販売価格を引き上げたこと等により、38億9千7百万円(同108.8%増)となった。

(米国)

 生活インフラ等の公共工事での製品需要の回復のほか、米国各地で新築、増改築、庭整備といった住宅関連工事が盛んに行われており、コロナ禍の長期化による郊外での住宅需要の高まりと合わせて、好調な販売状況が続いている。新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前年同期に比べて、米国のミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数は大きく増加し、売上高は139億3千2百万円(前年同期比14.7%増)となり、セグメント利益は12億2千5百万円(同18.9%増)となった。

(英国)

 EU離脱の移行期間終了に伴う英国での物流混乱が懸念されたが、竹内製作所グループの販売に大きな影響はなかった。新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前年同期に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、英国でのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加した。円安による追い風もあり、売上高は34億9百万円(前年同期比34.9%増)となり、セグメント利益は3億円(同57.4%増)となった。

(フランス)

 新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前年同期に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、フランスでのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加した。円安による追い風もあり、売上高は24億5千9百万円(前年同期比67.9%増)となり、セグメント利益は1億5千4百万円(同110.4%増)となった。

(中国)

 日本セグメントでの建設機械の増産により、日本セグメント向けの部品販売が増加した。この結果、売上高は1千万円(前年同期比79.3%増)となり、セグメント利益は2千6百万円(前年同期は8百万円のセグメント損失)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 連結業績予想については、2021年4月9日に公表した下記予想に変更はない。

 2022年2月期(2021年度)の連結売上高は、1,233億円(前年度比9.8%増)、営業利益は121億円(同8.4%減)、経常利益は122億円(同8.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89億円(同8.9%減)となる見通し。

 なお、業績予想における外国為替レートは、1米ドル=107円、1英ポンド=148円、1ユーロ=127円、1人民元=16.40円を前提としている。

 竹内製作所の2022年2月期第1四半期決算短信

 第1四半期決算発表参考資料