日立造船、東京ガスよりメタネーション装置を受注

・民間企業より初の受注、カーボンニュートラルの取り組みに貢献

 日立造船は7月7日、東京ガスよりメタネーション装置を受注したと発表した。メタネーション装置の民間企業からの受注は今回が初めて。東京ガスは横浜テクノステーション(神奈川県横浜市)内にメタネーション装置を設置し、2021年度内に実証試験を開始する予定。

 日本政府は2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、官民が連携して脱炭素化に向けた取り組みを進めている。

 水素と二酸化炭素からメタンを合成するメタネーションは、メタンが天然ガスの主成分であるため、既存のインフラ設備を活用でき、大規模な投資が不要なカーボンニュートラルのソリューションとして注目されている。

 東京ガスは、2019年11月に発表したグループ経営ビジョン「Compass2030」でCO2ネット・ゼロをリードしていく方針を掲げ、この4月に「水素・カーボンマネジメント技術戦略部」を設置し、ガス体エネルギーの脱炭素化に向けた水素・メタネーション関連の技術開発を推進している。

 今回、東京ガス横浜テクノステーション内にメタネーション装置を設置し、メタン製造の安定性評価、並びに製造ガスをガス消費機器に供給する検証を行う。

 日立造船は、1995年に東北大学と共に世界で初めてメタネーションの実証試験を行い、高性能触媒の開発や実用化に向けた実証実験を行ってきた。また電力をガス資源に転換・保存するPower to Gas(PtG)において、商業レベルの実用化に向けた技術開発と事業開発を行うための新組織として「PtG事業推進室」を今年4月に発足し、今秋には当社築港工場(大阪府大阪市)にPtG事業推進のための施設「PtG Square」を竣工する予定。

 日立造船は、長年培ってきた水電解技術やメタネーションの知見や実績を活かしてPtG事業を推進させ、今後も持続可能な社会の実現に貢献する。

<受注概要>

メタンの製造能力※高位発熱量換算:12.5Nm3/h ※日量:11.9GJ相当

建設予定地:京ガス株式会社 横浜テクノステーション内

納入時期:2022年2月(予定)

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