・中国でのフォークリフト需要拡大に対応
・ギヤポンプ生産、2022年は2倍の30万台見込む
㈱島津製作所は6月30日、中国子会社の天津島津液圧有限公司(略称:TSH)が、天津市の西青経済技術開発A区にフォークリフト向け油圧ギヤポンプおよびコントロールバルブ製造の新工場を建設し、28日に同開発区幹部などを招いて竣工式を行ったと発表した。新工場の全面稼働は2021年10月を予定している。TSHは、ギヤポンプにおいて2022年度には2019年度比2倍となる年間生産30万台を見込んでいる。
コロナ禍からいち早く経済の回復を果たした中国では、電子商取引市場の発展を背景に、物流量が再び増大している。物流業務に欠かせないフォークリフト市場の成長も加速しており、作動油を送り出すギヤポンプや、作動油の流路を切り替えるコントロールバルブの需要が高まっている。TSHは新工場の設備を活用し、高い生産効率と品質、性能を追求して、需要増に対応していく。
中国フォークリフト市場では、排ガス規制の強化によって電動化への移行が加速すると考えられる。また、快適性や車体の静穏性の向上、燃費やバッテリー消費の低減による経済性の向上など、新たな付加価値を有するフォークリフトの開発も進んでいる。島津製作所は、低消費電力かつ低騒音という製品特長を活かし、新たな付加価値を有するギヤポンプやコントロールバルブの提供を進めていく。
ちなみに、IR資料によると、油圧機器事業(フルイディクス事業部)の売上高は、2020年度で119億円(前年度比6.3%減)。中国は好調だったが、日本国内が設備投資減少の影響で減少した。
<新工場の概要>
建設場所:天津市西青経済技術開発区賽達工業園
敷地面積:約24,000㎡
建物仕様:一部2階建て(延床面積:約17,000㎡)
生産品目:油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ
生産能力:ポンプ50万台/年、バルブ20万台/年
全面稼働開始:2021年10月予定
投資金額:2,000万米ドル (約22億円、110円換算)
<天津島津液圧有限公司の概要>
所在地:天津市西青経済開発区興華四支路15号
資本金:27,696千米ドル
代表者(総経理):福島 伸久
設立:1994年8月
売上高:122,276千元(2021年3月期、約21億円、17円換算)
業務内容:主に中国向け油圧機器の製造および販売
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