・浮体式洋上風力発電所の普及を支援し、クリーンエネルギーの供給拡大と脱炭素社会の実現に貢献
日立ABBパワーグリッド社(日本:東京都品川区大崎)は6月24日、浮体式洋上風力発電基盤のリーディングカンパニーである、ノルウェーのBW Ideol(イデオル社)と、浮体式変電所の開発に関する覚書を締結したと発表した。
この提携は、日立ABBパワーグリッドの浮体式洋上風力発電所向け変電設備を、イデオル社の浮体式洋上プラットフォームと組み合わせた浮体式変電所を共同で開発するもので、浮体式洋上風力発電所の導入拡大を支援し、クリーンエネルギーの供給拡大と脱炭素社会の実現に貢献することをめざすもの。
日立ABBパワーグリッドは、イデオル社の浮体式洋上プラットフォーム上に設置する、モジュール型で拡張性に優れたコンパクトな変電所パッケージを提供する。同パッケージは、日立ABBパワーグリッドが浮体式洋上プラットフォーム用に開発した変圧器や開閉装置などの高電圧製品で構成される。
洋上風力発電所の多くは比較的浅い海域に位置し、風車や変電所は海底に固定されている。しかし、水深60メートル以上の海域や海岸から距離がある場所では固定設置ができないため、浮体式風車と変電所が不可欠となる。そのため、欧州、アジア、北米の多くの国々で浮体式洋上風力発電の導入が検討されており、浮体式洋上風力設備の設備容量は2019年の66MWから2030年には少なくとも6.2GWに増加すると予測されている。
日立ABBパワーグリッドとイデオル社は、市場の要件と洋上特有の厳しい環境に対応する、標準化されたモジュール型ソリューションを共同で開発するため、数年前から協力してきた。今回の提携により、浮体式洋上風力発電所の導入拡大に向けた取り組みをより一層加速する。
日立 ABB パワーグリッド社において Head of Renewablesを務める Alfredo Parres(アルフレッド・パレス)は、「イデオル社との協力により、開発事業者や独立系発電事業者のより深い海域での洋上風力発電事業を支援できることを嬉しく思います。日立ABBパワーグリッドのモジュール型で拡張性の高い先進的な変電所は、実績ある技術の活用により、再生可能エネルギーの更なる活用を可能にします。」と述べている。
イデオル社のCEO3であるPaul de la Guérivière(ポール・ド・ラ・グリヴィエール)は、「日立ABBパワーグリッド社との協業により、浮体式変電所の提供に向けた取り組みを加速します。市場と技術のリーダーである2社が協力して、浮体式洋上風力発電のすべての要件に対応する、標準化された拡張性の高いソリューションを構築します。さらに、日立ABBパワーグリッドの戦略的な投資家であるBW Offshore(BWオフショア)の洋上プロジェクトに関する豊富な経験を活用することで、技術的なソリューションに加え、財務的なソリューションも提供することが可能となります。」と述べている。
日立ABBパワーグリッドは、6月4日に浮体式洋上風力発電所の厳しい環境に耐えるよう設計された、変圧器製品群の提供開始を発表した。この製品群は、より多くの風力発電エネルギーの効率的な活用を支援し、持続可能なエネルギーの未来に貢献するもの。日立ABBパワーグリッドは、今回の提携により、この取り組みを強化する。
* 1 Global Wind Energy Council-Global Offshore Wind Report 2020 (https://gwec.net/global-offshore-wind-report-20201)
*2 変電所は洋上風力発電所のインフラに不可欠な部分です。電力は各風力タービンから洋上変電所までケーブルで送電、変電所でより高い電圧に昇圧され、陸上電力網に安全かつ確実に送電される。
* 3 CEO:Chief Executive Officer
■日立ABB パワーグリッド社について
日立ABB パワーグリッド社は、日立とABB社で合わせて約 250年の歴史を持つグローバルテクノロジーリーダーで、90カ国で約36,000 人の従業員を擁している。スイス・チューリッヒに本社を置き、エネルギー、インダストリー、インフラ産業のバリューチェーンに加えて、モビリティ、スマートシティ、蓄電やデータセンターなどの新分野にも事業を展開している。
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