IHIとGE Gas Power、アンモニアガスタービン事業の協業検討に関する覚書を締結

・IHIとGEは覚書にもとづき、脱炭素社会の実現という両社共通の目標達成を目指し、アンモニアを燃料とするガスタービンの事業化に向けたマーケティング活動・採算性評価を共同で実施

・プロジェクトは、カーボンフリーのアンモニアを火力発電所の有力な燃料として採用する革新的方法を探求するフィージビリティスタディ

 ㈱IHIと、米国を本拠地とするGE Gas Power社(以下、GE社)は6月22日、脱炭素社会の実現に向けて、カーボンフリーであるアンモニアを燃料とするガスタービンの事業化を目指し、燃料アンモニアの市場規模の調査や、日本・アジア地域でのアンモニアガスタービンの需要調査などのマーケティング活動・採算性評価を共同で実施することに合意したと発表した。

 アンモニアは、肥料や化学製品の原料、最近では燃料として広く利用されているため、製造・輸送・貯蔵までの一貫した技術がすでに確立している。また、アンモニアは水素を高密度に含み、扱いやすいという優位性から、水素エネルギーの高効率かつ低コストな輸送・貯蔵手段(エネルギー・キャリア)となるほか、火力発電の燃料として直接使用することも可能。炭素を含まず、燃焼時にCO2を排出しないことから、発電分野の脱炭素化における有望な燃料と期待されている。

 GE Gas Power AsiaのCEOであるラメシュ・シンガラム(Ramesh Singaram)氏は次のように述べています。

 「GEはほぼCO2排出量がないゼロカーボン発電に向けてその技術を進歩し続けており、この過程でひとつの燃料としてのアンモニアの可能性を探求したいと考えています。私たちはIHIと協力できることを楽しみにしています。ガスタービンのCO2排出を抑制するという共通の目標に向けて、両社でアンモニアのビジネスロードマップを作成したいと考えています。」

 IHI執行役員 資源・エネルギー・環境事業領域長 武田 孝治氏は次のように述べています。「IHIは、すでにガスタービンでアンモニア70%混焼を達成するなどアンモニア技術開発で世界をリードしています。私たちは長年にわたりガスタービンや航空機エンジンで協力関係にあるGEと、脱炭素社会に向けた新たな取り組みを始められることを非常に楽しみにしています。両社の強みを合わせることはアンモニア燃焼ガスタービンの可能性を追求する力強い後押しとなり、また2050年カーボンニュートラルという日本政府の目標の実現に寄与することにもつながると考えています。」

 ニュースリリース