IHI、新たな民間航空エンジンの生産拠点となる鶴ヶ島工場が稼働開始

・民間航空エンジン事業の回復に備えライフサイクルビジネス拡充を目指す

 IHI618日、民間航空エンジンの新たな整備拠点として建設を進めていた埼玉県鶴ヶ島市の鶴ヶ島工場の稼働を開始したと発表した。ポストコロナの民間航空エンジン需要の回復・成長に備え、ライフサイクルビジネスの拡充を目指す。

 IHIは、主力事業である航空エンジン事業において、様々な民間航空エンジンの国際共同開発事業に主要パートナーとして参画し、エンジンの設計・開発・製造からメンテナンスまでのライフサイクル全般で事業を展開している。航空機の需要増大に対応するため、これまでに、既存拠点への人員増強、設備投資や業務基盤整備などによる体制強化を図ってきた。新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、航空旅客需要は一時的に大きく落ち込んでいたが、今後ワクチン接種の広がりに伴い、国内線に続き、国際線旅客需要の回復が期待される。IHIは、参画するエンジンの整備需要回復に備えるため、鶴ヶ島工場の稼働を開始し、段階的に整備体制を強化していく。

 航空エンジンは、約30万点にも及ぶ部品で複雑に構成されており、航空機の安全で快適な運航のため、厳しい品質管理と20年以上の長期にわたるライフサイクルサポートが求められる。IHIはこれまで、航空エンジンの分解・洗浄・検査・部品修理・組立・試運転といった航空エンジン整備に必要な全工程を瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)で行っており、その高い整備能力により、世界19カ国の航空当局から整備認可を取得している。

 IHIは、鶴ヶ島工場において、民間航空エンジン整備専用の盤石な品質実現体制のもと、 IoTAIなどの新技術を導入し、瑞穂工場との事業運営の相乗効果もはかりつつ、世界最高水準の航空安全品質と効率的なメンテナンスサービス体制を目指していく。

 IHIは、この新拠点の有効な活用によって地域経済の発展に貢献するとともに、今後も、環境性能に優れる様々な航空エンジンの提供とライフサイクルビジネスを中心とする民間航空エンジン事業の拡充を目指し、世界中の安全・快適・経済的で環境に優しい航空輸送を支えていく。

<鶴ヶ島工場の概要>

所在地:埼玉県鶴ヶ島市大字太田ケ谷1200

敷地面積:136,100

延床面積:約23,000

稼働開始:2021618

投資額:約240億円

 画像:鶴ヶ島工場の外観写真

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