日立ABBパワーグリッド、浮体式洋上風力発電所向け変圧器を提供開始

・浮体式洋上風力発電所の普及を支援し、持続可能なエネルギーの未来に貢献

 日立ABBパワーグリッド社6月4日は、浮体式洋上風力発電所向けに設計した変圧器製品群を、同日から提供開始すると発表した。同製品群は、浮体式洋上風力発電所の厳しい環境に耐えるように設計されたもので、浮体式洋上変電所向けの集電昇圧用変圧器・接地変圧器・分路リアクトルおよび、浮体式洋上風力タービン向け変圧器で構成されている。日立ABBパワーグリッド社は、同製品群の提供を通じて、浮体式洋上風力発電所の普及と風力発電エネルギーの効率的な活用を支援し、持続可能なエネルギーの未来に貢献する。

 洋上風力発電所は、風力発電機器の固定に適した条件の海底が限られることに加え、水深60メートル程度になると機器の固定自体が難しくなることから、これまで一部の海域での建設にとどまってきた。こうした中、浮体式洋上変電所と浮体式洋上風力タービンは、水深の深い海域での洋上風力発電所の建設を可能にし、世界の洋上風力発電エネルギーの発電容量を大幅に増加させるソリューションとして、近年注目を集めている。一方で、浮体式洋上風力発電所は、海面の揺れにより荷重が常に掛かることや、高さ15メートルにもなる波による振動や衝撃にさらされるといった課題もある。

 日立ABBパワーグリッド社は今回、浮体式洋上風力発電事業者との協力により、浮体式洋上風力発電所向けに最適設計した集電昇圧用変圧器および接地変圧器、分路リアクトル、洋上風力タービン向け変圧器を開発した。同製品群は、浮体式洋上風力発電所における厳しい運用要件を満たすよう最適設計された、軽量かつモジュール式の能動部品、タンク、タップ切替装置、付属品および外部部品などで構成されている。また、日立ABBパワーグリッド社の洋上風力タービン向け変圧器「WindSTAR」も、浮体式洋上風力タービン向けに改良を加え、同製品群に加わる。

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