・作業者にやさしい自走ロボットシステムにより大幅な効率を実現
㈱IHIは6月1日、グループ会社である㈱IHI物流産業システム(本社:東京都江東区、以下ILM)が、このほどフランスを本拠地とするEXOTEC Solutions SAS社(以下、EXOTEC)と、EXOTECが開発・製造・販売を行う、物流センター内に設置される保管ラックとの間をロボットが自動走行し、対象商品を作業者の元まで搬送する三次元走行ロボット式ピッキングシステム「Skypod」の協業に関するパートナー契約を締結したと発表した。契約に基づき、ILMは日本国内および周辺国において同システムの販売を開始した。
物流センターにおける従来のピッキング(荷揃え)作業は、作業者が広大な物流センター内を歩き回り、必要な商品を人手で集める方式が主流だった。しかし、昨今のeコマース市場の成長加速にともなう物量の増加で、ピッキング作業がますます重労働となっている点と、多種類の商品の中から決められた個数を正確に集めるという作業の性質上、作業者によるミスが起きやすい点の2点が従来方式の課題となっていた。
同システムは、物流センター内に設置された保管ラックの間を前後・左右・上下の三次元に走行する搬送ロボットや専用保管ラックを中心に構成され、搬送ロボット自ら、ラックを昇降し、商品の入った専用バケットを取り出して、短時間で作業者の手元まで自動搬送する「Goods to person」方式を実現する点が特徴。また、従来の平棚倉庫と比べ、最大高さ10mの保管ラック導入により、保管効率が大幅に向上し、高密度な商品保管が可能となる。さらに、同システムは、搬送ロボットと作業者の稼働状況を統合管理する専用ソフトウェア「Astar(エー・スター)」を搭載し、作業者は特定の作業場所に留まった状態で、モニターに表示された情報や指示に従って、出荷する商品の仕分け作業のみを行うことが可能になる。
同システムの導入は、ピッキング作業の大幅な効率化と自動化を実現する。人手に依存する導入前の方式と比較して、作業効率を約5倍向上させた実績も有している。
ILMはすでに日本国内にて同システムを受注しており、今後も、ネット通販をはじめとした、さまざまな業種の顧客に向けて販売を拡大し、顧客の課題解決に貢献していく。また、ILMは、同システムの他にもAIを活用した、段ボールケースなどの荷積み荷卸しを自動で行う「IHIパレタイズ/デパレタイズシステム」などのロボットシステムや、自動倉庫、移動棚などの保管システム等を組み合わせた自動化・省人化設備のラインアップにより、総合的な物流ソリューション提供に取り組んでいく。
詳細は、ニュースリリース
コメントを投稿するにはログインしてください。