中国の建設機械メーカー、徐工(XCMG)、中联重科(Zoomlion)、山東臨工(Lingong)が相次いで値上げを通知

・一部商品はトン当たり2万元値上がり、どうしたのか。

 工程機械商貿網:2021年5月27日

 原材料価格の上昇により、建設機械メーカーは、最近値上げモードに入っている。5月以降、中联重科(Zoomlion)の站類機械(ステーション機械:ショベル等を取り付ける台座)やクレーン、徐工(XCMG)のタワークレーンや建設用リフト、山東臨工(Lingong)のローダーは、鋼材等の原材料価格の継続的上昇により、前後して値上通知書を発表している。

 各社が発表している製品価格調整通知書によると、中联重科と徐工机械は、それぞれ5月17日と6月1日からの出荷分から、タワークレーンとリフター全シリーズの製品価格を、製品の純鋼材重量に応じてトン当たり1,000元引き上げている。山東臨工のローダー価格は、異なるシリーズごとに、それぞれトン当たり8,000 元から20,000 元引き上げている。(1元は約17円)

 業界の投資家は、主に需要と供給の両方の影響を受けたことにより、これら建設機械の需要は大幅に増加しているが、コスト面では、鋼材や鉄鉱石などの主要原材料が、最近大幅な値上げがあった。そのために、これら建機メーカーは、最近、工場出荷価格を調整する動きを見せている、と分析している。

 記者は、鋼材を主要原材料とするクレーンや台座類の機械は、今年に入って鋼材価格が高騰したことにより、母機メーカーの生産コストが上昇していることを知った。5 月中旬現在、全国の鋼材市場の八大品種のトン当たり鋼材価格は何れも6,600 元を超え、2008 年のピーク時の6,200 元より400 元近く高く、前年同期比よりトン当たり2,800 元上昇しており、前年同期比75%の増え幅である。しかし同時に、四半期の財務報告書から判断すると、今年の第一四半期報告書では、申万(Shenwan:神湾)建設機械委員会 の親会社に帰属する純利益は110 億元で、昨年同期の45億8,000万元のほぼ2.5 倍に達している。上場8 社の純利益は倍増を達成しており、山推股份(SANTUI)の建設機械の純利益は、前年同期比の2 倍を超える増加である。

 業界の投資家は、第1四半期全体の建設機械メーカーの業績は、何れも大幅な成⾧を遂げている、1つは、昨年の疫病流行の影響のもあり、今1つは、業界全体の需要と販売台数が大幅に増加していることでもある、と分析している。これらの会社へ投資する場合、需要が持続できるか否か、即ち、業界全体の景気が持続できるか否かに関心を持つことがやはり最も重要である。大手企業は交渉力、収益率や粗利率が比較的高いために、業界の構造は依然として大手企業に集中する可能性がある。

 中国工程機械商貿網は、建設機械メーカー全体にとっては、川下の集中度は低く、メーカーはコスト圧力を川下に転嫁する底力がよりあるように見える。従って、続いて、さらに多くの企業がフォローアップ値上げすることは排除していない。

 結局にところ、コストが大幅に上昇している状況では、値上げを通して利益幅を増やし、これによって製品開発への投資を確保し、技術的優位を確立することは、あまりとがめるべきではなく、人情や道理にかなっている、と考えている。

 もちろん、原材料価格の上昇によるコスト圧力を緩和するには、値上げだけが唯一の手段ではなく、コストの移転、スケール効果及び内部管理効率の向上等は、何れもより効果的なソリューションである。しかし、値上げは、最も簡単で、最も直接的手段である。

 ニュースソース:工程機械商貿網:2021年5月27日