千代田化工建設と三菱商事など、産業設備/プラント向けデジタルプラットフォーム事業の実証実験を開始

 千代田化工建設Cognite三菱商事は5月26日、産業設備/プラント(以下「プラント」)向けデジタルプラットフォームソリューション「Mirai Fusion(以下MF)の提供・協業を目的とする覚書を締結し、このほど国内の製油所向けに実証実験(以下、実証)を行うことを合意したと発表した。今後は同案件を皮切りに当該ソリューションの提供を国内外の製油所・LNG・石油化学プラント、並びに他産業設備に拡大していく予定。

 プラントの運営において、設備の経年劣化に対する修繕コストの低減、熟練者の運転・管理ノウハウの見える化、既存の各システムの縦割り構造によって連携されていないデータの統合利用等、効率性向上とサステナブルな運営・技術継承が課題となっている。

 MF では、Cognite が提供する世界で初めて石油ガスプラントに実装された、分断された各種データの統合・紐付け管理(コンテキスト化)を可能にするソフトウェア※1 を活用する。同ソフトウェアを、千代田化工のプラントエンジニアリング知見を活かしながら顧客個別のニーズに応じた形で導入し、この上に千代田化工独自のAI デジタル技術により開発した稼働状況の可視化・故障の予知等を実現する産業用アプリ(以下、アプリ)、三菱商事のグローバルネットワークを通じ集めた最先端のアプリ(サードパーティアプリ※2)を導入し、メンテナンスの効率化や生産効率向上といったプラントのDX に貢献する。

 MFで活用されている技術は、サウジアラムコやAker BP といったオイルメジャーで実績があり、生産量の最大化、メンテナンスの効率化等を実現している。Aker BP では同技術を使ったデータ活用により、2022 年までにオペレーションコストを15%〜18%削減することを目標としており、実現に向けて順調にプロジェクトを進行している。

 国内外のプラントにMFを導入し、顧客の競争力拡大・企業価値向上に貢献していく。

 また、運転効率化や設備管理高度化等のアプリの活用によりプラント操業を最適化し、石油・ガス資源のより効率的な活用により、脱炭素社会への貢献も果たしていく。

※1 Cognite が開発したデータ統合ソフトウェアCognite Data Fusion (CDF)

※2 他の事業パートナーが開発、活用事例のあるアプリ

【提供サービス(Mirai Fusion)全体像】

  1. 全体戦略・課題発掘等のコンサルティング、既存システムの統合・連携、顧客ごとにカスタマイズしたアプリ開発(デジタルソリューション)までを一気通貫で支援
  2. スピード感のあるアプリ開発が可能であり、アプリの特定から、開発、提供、ソフトウェアへの導入まで最短8 週間で実行可能
  3. 実装例がある既存の「スタンダードアプリ」、顧客ごとの課題解決に特化しゼロベースで開発する「カスタムアプリ」、他事業パートナーが開発、運用実績のある「サードパーティアプリ」、を組み合わせた最適な提案

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