・2021年予想は、油圧8.5%増、空気圧10.8%増
一般社団法人日本フルードパワー工業会は5月20日、第22回定時総会をweb開催し、その一部をメディア関係に公開した。冒頭、挨拶した安藤 毅会長(東京計器株式会社社長)は、2020年度の油圧および空気圧機器出荷実績、2021年度の工業会活動など、概ね次のように述べた。以下、抜粋要約。
■安藤会長の挨拶
・2020年・年度と2021年・年度の出荷について
2020年の暦年出荷額は、油圧機器が前年比13.2%減の3,371億円、空気圧機器は同0.6%減の4,120億円となりました。
前年度比ベースでは、油圧機器は前年度比10.6%減の3,382億円、空気圧機器は、同1.9%増の4,231億円となりました。油圧、空気圧合計では、前年度比4.1%減の7,613億円となりました。このように前年度比のデータからは、油圧機器、空気圧機器とも前年に比べて回復傾向にあることを示しています。
2021年度の予想については、各市場まだら模様にあるなか、工作機械や半導体製造装置も業況改善ということもありまして、油圧機器では前年度に比べて8.5%増、空気圧機器は10.8%の伸びを予想しております。
・2021年の取り組みについて
さて、工業会では、委員会・部会の活動もweb形式のものも多くなってきましたが、止む無く中止する事業もあり、会員様各位には大変ご迷惑をおかけしているところでございます。
本年度は、アフターコロナの時代に備えて、工業会としては、持続可能な長期スパンの活動に、より軸足を移していきたいと思っております。
一つ目は、フルードパワー業界の人材育成です。技術委員会などを中心に、研修事業などを一層充実させ、若手育成の場として広く活用していきたいと考えております。
二つ目は、フルードパワー産業の魅力を広く社会に伝えていくことです。今年は10月に、IFPEXフルードパワー国際見本市を予定しております。このような活動を通じて、フルードパワーの魅力を広く社会に伝え、多くの有能な人材が我々の業界に集まり、活躍するきっかけになればと期待しているところであります。
また、各国の工業会との連携、意思の疎通を一層深め、国際的な交流を通した業界の人材育成につなげていく所存でございます。
三つ目としては、統計や標準化活動などを通じたフルードパワーの基盤整備でございます。この6年間、国からの支援を受けてきた水圧技術の国際標準化でございますけども、この秋には国際標準になる見込みとなっております。
フルードパワー分野では、日本提案が初めて国際標準になります。この国際標準は、世界市場に出ていくためには、必要不可欠であり、今後も地道に対応を進めてまいります。
最近はテレビのコマーシャルでもよく耳にする、2015年の国連サミットで採択されたSDGsですが、ご承知のとおりSDGsには、17の開発目標がございます。そのすべてが、重要なグローバル目標でございます。
ちなみに、この中で、12番目の目標は、作る責任、使う責任となっております。工業会の皆様方には、両方の責任がある訳でございますが、特に、作る側から見ますと、環境や資源の保護につながる、少ない資源で高品質を両立する革新的な生産、あるいはエネルギーの大幅削減を可能とする画期的な生産効率の向上、廃棄物の大幅削減を可能とする新しい生産方式の創出など、Society 5.0を通じたイノベーションによって皆さん方が課題である、作る責任を果たしていくことを期待しております。
工業会としましても、2030年のSDGsの17の目標実現に向けた活動支援の取り組みを会員の皆様と連携して展開していく所存でございます。
感染防止に向けまして、各種活動にも制約が多く、会員様にもご迷惑をおかけしているところでございます。ご理解と共にご支援宜しくお願い申し上げます。
また、コロナ禍による厳しい状況が続いておりますが、私たちの適切な行動によって、感染収束を引き寄せることを願っております。
最後になりましたが、本日、ここにご来賓ご出席の皆様方のご健勝、そして会員各社のご発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
以上
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