クボタ、21年1~3月売上は22.3増の5,377 億円、機械部門は28.1%増の4,445 億円

 ㈱クボタが5月14日に発表した2021年12月期第1 四半期(1~3月)連結業績によると、売上高は前年同期比981 億円(22.3%)増加して5,377 億円となった。国内売上高は水・環境部門が前年並みとなったが、機械部門が農業機械などを中心に増加したため、前年同期比100 億円(6.7%)増の1,600 億円となった。海外売上高は農業機械や建設機械が大幅な増収となったほか、水・環境部門も前年を上回ったため、前年同期比881 億円(30.4%)増の3,776 億円となった。

 営業利益は国内外での増収や為替差損益の改善に加え、2019 年第4 四半期の大幅な減産に伴い前年同期に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が悪化していたこともあり、前年同期比473 億円(155.2%)増の777 億円となった。税引前利益は営業利益の増加により前年同期比473 億円(152.4%)増加して783 億円となった。法人所得税は214 億円の負担、持分法による投資損益は5億円の利益となり、四半期利益は前年同期比342 億円(147.4%)増の575 億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を313 億円(150.7%)上回る520 億円となった。

 クボタ2021年第1四半期データ

■部門別の概況(外部顧客への売上高及びセグメント利益)
<機械部門>
 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されている。売上高は前年同期比28.1%増加して4,445 億円となり、売上高全体の82.7%を占めた。
 国内売上高は前年同期比14.7%増の761 億円。消費増税前の駆け込み需要の反動減からの回復や、経営継続補助金による需要の増加により農業機械や農業関連商品が伸長した。
 海外売上高は前年同期比31.3%増の3,683 億円。北米では、港湾の混雑などによる出荷の遅れはあるものの、郊外移住などに伴う旺盛な需要を背景に建設機械やトラクタが大幅に増加した。欧州では、前年の新型コロナウイルス感染拡大に伴う販売低迷からの回復により、建設機械、トラクタ、エンジンが揃って増加した。アジアでは、タイの農業機械が昨年の降雨により干ばつ懸念が低下していることや農産物価格の高値安定などにより大幅に増加したほか、中国、フィリピン、インドでも農業機械が好調に推移した。その他の地域では、オーストラリアのトラクタや建設機械が例年を上回る降雨や政府の景気刺激策を背景に大幅な増収となった。
 セグメント利益は国内外での大幅な増収や、前年同期に出荷された製品に含まれる生産工場の損益が悪化していたことなどにより、前年同期比123.1%増加して681 億円となった。

<水・環境部門>
 同部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成されている。
 売上高は前年同期比1.0%増加して857 億円となり、売上高全体の15.9%を占めた。
 国内売上高は前年同期比0.6%増の764 億円。パイプインフラ関連製品は緊急事態宣言に伴う工期延長の影響などによりダクタイル鉄管や工事事業が減少した。環境関連製品は排水ポンプ車の増販によりポンプが大幅な増収となった海外売上高は前年同期比4.8%増の93 億円となった。工事事業などが増加した。
 同部門のセグメント利益はプラント建設コストの改善などにより前年同期比50.6%増加して125 億円となった。

<その他部門>
 同部門は各種サービス事業などにより構成されている。売上高は前年同期比2.4%減の75 億円となり、売上高全体の1.4%を占めました。同部門のセグメント利益は前年同期比4.3%増加して10 億円となった。

■連結業績予想に関する定性的情報
 2021 年12 月期の業績見通しは前回発表時(2021 年2 月15 日)から変更していない。業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=105 円、1ユーロ=125 円としている。

*前回発表・2021年12月期の見通し

 2021年通期の売上高は2020年比1,968 億円増の2 兆500 億円を見込んでいる。国内市場では、機械部門、水・環境部門ともに新型コロナウイルスの感染拡大に伴う低迷からの回復が見込まれるため、国内売上は増加する見通し。海外市場では、機械部門が底堅い需要や、ディーラーへの卸売が2020年からずれ込むことなどを背景に北米での大幅な増収を見込んでいるほか、水・環境部門も増収となるため、海外売上は大きく増加する見通し。

 営業利益は原材料価格の上昇や円高の影響はあるものの、大幅な増収や2020年の減産に伴う生産工場の損益悪化が解消されることなどにより、2020年比447 億円増の2,200 億円となる見込み。また、税引前利益は2020年比391 億円増の2,250 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2020年比295 億円増の1,580 億円を予想している。

 クボタの2021年12月期第1四半期決算短信

 決算補足説明資料