ナブテスコが4月30日に発表した2021年12月期第1四半期(1~3月)連結業績によると、受注高は前年同期比10.2%増の80,824百万円、売上高は同5.0%増の72,028百万円となり、営業利益は同18.7%減の6,655百万円となった。売上高営業利益率は9.2%となった。税引前四半期利益は、㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの持分法適用除外に伴う評価益等を計上したことにより、同10.5%増の124,494百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同24.9%増の80,058百万円となった。
新型コロナウイルスによる世界的な移動制限の影響を受け、航空機器、鉄道車両用機器等では売上高が減少したが、産業用ロボッ ト向け精密減速機が好調に推移したことに加え、中国での建設機械向け油圧機器も好調を維持した。
■セグメント別
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前年同期比45.3%増加し40,998百万円となった。売上高は33.2%増加し34,103百万円、営業利益 は同52.6%増加し5,950百万円となった。
精密減速機は、自動車業界向け等の産業用ロボット需要が急激に回復したことに加え、一般産 業向けも回復基調にあり、売上高は前年同期比で増加となった。油圧機器は、中国での高い需要の継続に加え、先進国や東南アジア等における建設機械需要の 回復もあり、売上高は前年同期比で増加となった。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の受注高は、前年同期比37.3%減少し14,798百万円となった。売上高は同21.0%減少し14,893百万円、営業利益は同61.7%減少し638百万円となった。
鉄道車両用機器は、新型コロナウイルスの影響による海外向け案件の入札遅れにより需要が一 時的に停滞し、売上高は前年同期比で減少となった。航空機器は、主に民間航空機の大幅な減産の影響を受け、売上高は前年同期比で減少となった。商用車用機器は、国内外での需要が停滞し、売上高は前年同期比で減少となった。舶用機器は、新造船向け及びMRO(Maintenance, Repair, Overhaul)の需要が共に堅調に推移 し、売上高は前年同期比で増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前年同期比5.4%増加し19,560百万円となった。売上高は同1.4%減少し19,917百万円、営業利益は同22.6%増加し2,970百万円となった。
自動ドア事業は、プラットホームドアで国内鉄道事業者の投資先送りの影響を受けたものの、国内外の建物用ドアの需要が堅調に推移し、売上高は前年同期並みとなった。
<その他>
その他の受注高は前年同期比82.8%増加し5,468百万円となった。売上高は同20.8%減少し3,115百万円、営業利益は同51.1%減少 し218百万円となった。
包装機は、新型コロナウイルスの影響により前年度下期後半から国内顧客の設備投資計画の延期が発生したことに加え、海外案件においても納入の延期が発生し、売上高は前年同期比で減少 となった。
なお、2021年12月期連結業績予想は、売上高は前期比2.4%増加の286,000百万円、営業利益は前期比1.6%増加の29,000百万円を見込んでいる。
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