三井化学、錦湖三井化学のMDI生産設備を増強、400億円投資

・リサイクル設備も導

 三井化学(本社:東京都港区)は4月21日、関係会社である錦湖三井化学(本社:韓国ソウル特別市)のMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)生産設備を増強すると発表した。投資額は400億円。

 MDIは、自動車部品、自動車及び家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%で増加していくと見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革等に使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材等に使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産、販売している。今回の増強は、断熱材等の需要伸長はもとより、EV自動車を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要の更なる拡大に対応するためのもの。

 生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備を導入する。これは、原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を企図したもの。

<設備投資の概要>

製品:MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)

所在地:韓国 全羅南道 麗水市

増強能力:20万トン/年(41万トン/年→61万トン/年へ増強)

投資額:400億円

スケジュール(予定):2021年4月着工、23年9月完工、24年1月営業運転開始

<錦湖三井化学株式会社の概要>

設立:1989年3月

資本金:350億ウォン

出資比率:三井化学 SKC ポリウレタン株式会社 50%、錦湖石油化学株式会社 50%

本社・工場:本社:韓国ソウル特別市、工場:全羅南道 麗水市

事業内容:MDIの製造・販売

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