朝日インテック、約50億円投じて新社屋(研究開発拠点の拡充など)を建設

 朝日インテックは4月12日、朝日インテックグローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)の敷地内に、約50億円を投じて新社屋(研究開発拠点の拡充など)を建設すると発表した。

<新社屋の概要>

所在地:愛知県瀬戸市暁町3-104 他 (朝日インテック グローバル本社・R&D センター 内)

構造:重量鉄骨造 地下1階、地上7階建

建築面積:2,800 ㎡

延床面積:16,200 ㎡

投資金額:約50 億円(概算減価償却費2.5 億円/年)

工事着工予定:2022年1月

竣工予定:2023年11月

■新社屋建設の目的

① 「持続可能な事業活動を実現するための就業環境整備」

 ウィズコロナ、アフターコロナに対応するニューノーマルの考え方により、就業様式にも変化が求められている。朝日インテックグループの営業マーケティングや管理系機能などにおいては、在宅勤務やサテライトオフィスの活用などを推し進めていくが、研究開発型の製造業である朝日インテックにおいては、研究開発機能を中心としてモノや設備から離れて就業することは困難であるため、出勤型のインフラを整えていく必要がある。

 新社屋建設にあたっては、これまでの座席間隔、換気機能などの就業様式を見直し、安全安心な就業環境を整備することで、今後、朝日インテックが構想する10年先までの成長に見合ったインフラを整えていく。

② 「研究開発環境の充実」

 朝日インテックは中期経営計画「ASAHI Road to 1000」に基づき、「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を基本方針の1つと定めている。

 グローバル競争に勝ち、連結売上高1,000億円を超えて永続的に成長発展する企業であり続けるために、その礎となる施策を推進していくことが必要であると認識している。

 そのため、従来事業領域である血管系製品の開発に加え、消化器分野・ロボティクス分野(スマート治療含む)・脳血管系分野などの新事業領域における開発強化・加速を図る上で、開発部門の増床を含めた研究開発環境を充実させることが必須であると考えている。朝日インテックグループのコア技術及び医療機器分野のノウハウと、センサー技術・エネルギー技術・ロボティクス技術を融合させることにより、新たな次世代スマート治療の確立や、そのロボティクス化を目指しており、そのためのインフラを整えていく。

③ 「BCP視点の緊急時生産機能の整備」

 朝日インテックグループは、患者の命に関わる製品を世に送り出している医療機器メーカーの使命として、どのような事態においても製品を安定供給できる体制を構築することが求められている。朝日インテックグループの量産機能は、海外工場に帰属しているが、過去に遭遇したタイ洪水などの災禍やコロナウィルスの蔓延などの緊急事態などで経験した生産停止や輸送困難などの教訓を生かし、新社屋には、クリーンルームを設置するなどし、緊急時には生産の一部を担うことができる機能を整備していく。

④ 「モノづくり精神の国内回帰」

 朝日インテックグループは、研究開発型の製造業であり、素材から完成品までの一貫生産体制が可能なことを強みとしている。それを支える根幹として、国内エンジニアのモノづくり精神を醸成していく仕組みが必要である。朝日インテックグループの量産機能は海外工場が担っており、これまでは国内エンジニアの海外出張や赴任などによって、このモノづくり精神の醸成を図っていたが、コロナ禍においてはそれらの対応・運用が困難になりつつある。ついては、新社屋において、多品種に対応する試作ラインや少量生産が可能な設備を設け、海外の量産プロセスを疑似的に経験できる環境を整えることにより、一貫生産体制を支える国内エンジニアの育成を推進していくとしている。

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