㈱不二越が4月2日に発表した2021年11月期第1四半期(2020年12月~2021年2月)連結累計期間においては、前年下期以降の自動車や建設機械分野を中心とした需要の持ち直しを受け、売上は回復基調にあるが、設備関連の需要がいまだ低水準であり、連結売上高は、530億72百万円(前年同期比5.7%減)、このうち、国内売上高は274億44百万円(同8.4%減)、海外売上高は256億27百万円(同2.6%減)となった。一方で、利益面につきましては、昨年来実施してきた合理化や内製化による生産性の向上や、業務の効率化による販売費・一般管理費の縮減など、トータルコストダウンの効果を取り込み、営業利益は24億16百万円(同5.8%増)、経常利益は22億95百万円(同19.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億70百万円(同51.9%増)となった。
第1四半期連結累計期間のグループをとり巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響からいち早く回復した中国経済の拡大や日本や欧米などの先進国経済の持ち直しの動きが継続し、徐々に回復しつつある。一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大や世界的な半導体不足の懸念、米中問題の長期化など、依然として先行き不透明な状況が継続している。
このような状況のもと、不二越グループは、ロボット事業を核に、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の確保にとり組んできた。また、足下の収益改善に向けて、需要の変動に対応する生産体制の構築、合理化などを進めた。
■セグメントの業績
機械工具事業では、中国など一部地域で需要拡大の動きがあるが、設備投資の抑制や工具需要の回復遅れなどにより、売上高は165億13百万円(前年同期比13.7%減)となり、営業利益は3億58百万円(同58.5%減)となった。
部品事業では、自動車・建設機械分野をはじめとした需要が回復し、売上高は338億4百万円(前年同期比1.0%増)となり、合理化・内製化による生産性の向上などのコストダウンの効果で営業利益は20億22百万円(同81.2%増)となった。
その他の事業では、特殊鋼需要の低迷などにより、売上高は27億54百万円(前年同期比25.4%減)、営業利益は20百万円(同92.9%減)となった。
■今後の見通し
2021年11月期の連結業績予想は前回予想と変わらず、売上高2,050億円(前期比2.0%増)、営業利益80億円(同16.8%増)、経常利益68億円(同23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益40億円(同62.7%増)を見込んでいる。
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