JFEスチールは4月2日、西日本製鉄所(倉敷地区)の電磁鋼板(※1)製造設備の増強を決定したと発表した。約490億円を投資し、高級無方向性電磁鋼板の製造能力を現行比2倍に増強する。稼働は2024年度上期を予定している。
カーボンニュートラルに向けた取り組みが全世界的に進む中、自動車の電動化に向けた流れが加速している。今回の決定は、電動車の駆動モータに不可欠な高級無方向性電磁鋼板に対する需要増に対応するため。
自動車の電動化、エネルギー利用の高効率化、および再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、高級電磁鋼板に対する需要の増加が全世界的に継続することを見据え、今後もさらに資本を投入し、無方向性電磁鋼板と方向性電磁鋼板の供給能力を増強していく。
JFEスチールは今後も国内製造基盤の強化を継続し、世界トップクラスの製造実力をさらに向上させるとともに、CO2排出量削減に寄与するエコプロダクトの供給を拡大していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく。
(※1)電磁鋼板:鉄にSi,Al等を添加した材料で、高磁束密度かつ低鉄損という優れた磁気特性を有する。全方向にほぼ平均的に優れた磁気特性を有し、モータなどの鉄心材料として用いられる無方向性電磁鋼板と、一方向(圧延方向)に極めて優れた磁気特性を有し、変圧器などの鉄心材料として用いられる方向性電磁鋼板の2種類がある。
<増強する電磁鋼板製造設備の概要>
西日本製鉄所(倉敷地区):倉敷市水島川崎通り1丁目
総投資額:約490億円
稼働時期(予定):2024年度上期
製造能力(予定):高級無方向性電磁鋼板の製造能力を現行比2倍に増強