川崎重工業は3月23日、中国山東省の潍坊市滨投分布式能源有限公司(Weifang Bintou Distributed Energy Co., Ltd)から、ガスタービンの最大出力機種である30MW級の純国産高効率ガスタービン「L30A」1基を受注したと発表した。「L30A」の海外向け受注は今回が初めて。
潍坊市滨投分布式能源有限公司は、山東省潍坊市政府系企業で、主にインフラ・都市開発を行う潍坊滨城投资开发有限公司(Weifang Bincheng Investment Development Co., Ltd.)傘下の総合エネルギー供給会社。
今回、潍坊市滨投分布式能源有限公司が、中国国家能源局が主導する電力自由化の実現に向けた実証プロジェクトとして、山東省潍坊市で新たに地域の工場および住宅向けに、蒸気と電力を供給するコージェネレーション(熱電併給)プラントを建設するにあたり、その中核設備として「L30A」が採用された。プラントは、2022年夏頃の運転開始を予定している。
現在、中国ではエネルギー利用の効率化を推進しており、再生可能エネルギーや分散型エネルギーの導入が加速している。これに伴い、従来の石炭火力発電から、環境性能および負荷応答性の高い高効率ガス火力発電への切り替えが進むと考えられている。
川崎重工は、ガスタービンやガスエンジン、ボイラなど分散型のエネルギー供給に対応した製品ラインナップを備え、それらを組み合わせたコンバインドサイクルパワープラントして最適な総合システムを提案できることが強み。今後も製品技術力のさらなる向上とプラントエンジニアリング力の強化に積極的に取り組み、エネルギー関連事業をグローバルに展開するとともに、多様な市場ニーズに的確に応えながら、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減、低炭素・脱炭素社会の実現へ貢献していく。
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