エーザイ、川島工園(岐阜県)で新注射剤棟・研究棟の新築工事着工、総投資額は100億円

 エーザイ(本社:東京都)は3月22日、中期経営計画EWAY2025 実現に向けた戦略投資の一環として、川島工園(岐阜県)において、新注射剤棟/研究棟(名称:Eisai Medicine Innovation Technology Solutions、以下 EMITS)建設の起工式を実施したと発表した。

 川島工園の現研究棟は、1980年の竣工以来、自社創出薬剤の製剤研究を一手に担ってきた。エーザイにおける創薬ターゲットは、従来の低分子に加え、抗体や抗体薬物複合体(ADC)、核酸など、いわゆるニューモダリティへの拡大が進んでいる。ニューモダリティの多くは注射剤であり、注射剤の製剤技術力の強化およびドラッグデリバリー技術(DDS)の活用がより一層重要となる。

 EMITSにおいては、これらのニューモダリティ製剤への対応を拡充するため、現研究棟から製剤の研究機能を移転するとともに、注射剤の製造プロセス開発機能を強化する。また、GMP(*)要件に適合した注射剤製造施設を導入し、注射剤の治験薬製造の内製化を図る。さらに、リポソームや脂質ナノ粒子製剤等の最先端製剤技術の開発にも対応したシステムの導入や社外との共同研究が可能な実験スペースの設置を予定している。これらの取り組みにより、製剤研究機能の技術力およびナレッジを高質化し、製剤に関するイノベーション、テクノロジー、ソリューションの発信基地となることをめざす。竣工は2022年度第2四半期を予定している。

 川島工園は、エーザイのグローバルな製剤の製造拠点であり、製剤研究から製剤製造までの一気通貫体制を構築している。エーザイは、EMITS建設により、製剤研究および製剤製造のさらなる高質化を図り、創薬活動を加速し、アンメット・メディカル・ニーズの充足と患者様とそのご家族のベネフィット向上に、より一層貢献していく。

* Good manufacturing practice: 製造管理および品質管理に関する基準

<川島工園・新注射剤棟/研究棟新築工事の概要>

所在地:岐阜県各務原市川島竹早町1

建物名称:Eisai Medicine Innovation Technology Solutions(EMITS)

起工:2021年3月

竣工:2022年度第2四半期(予定)

建物面積:約11,000㎡

総投資額:100億円(予定)

 ニュースリリース