東芝デバイス&ストレージ(東京都港区)は3月10日、グループ会社の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)構内に、300mmウエハー対応製造ラインを導入し、生産能力を増強すると発表した。同製造ラインは、2023年度上期に稼働開始予定。
電力を供給、制御する役目を果たす半導体のパワーデバイスは、あらゆる電気機器の省エネルギー化に不可欠なデバイスであり、自動車の電動化や産業機器の自動化などを背景に、今後も継続的な需要拡大が見込まれている。
東芝デバイス&ストレージはこれまで、加賀東芝を中心に、200mmウエハー対応の製造ラインの生産能力を増強してきた。今回、同社の既存建屋における200mmウエハー対応のクリーンルーム内に、300mmウエハー対応の製造ラインを敷設し、低耐圧MOSFET注1、IGBT注2の生産能力を増強する。
同製造ライン以降の投資計画は、市場の動向を見ながら順次決定する。なお、㈱ジャパンセミコンダクター大分事業所におけるパワーデバイスを含むディスクリート半導体の生産も、引き続き拡大していく。
東芝デバイス&ストレージは、今後もパワーデバイス市場の伸長に対応する生産体制を整えることでパワーデバイス事業を拡大し、省エネルギー社会の実現に貢献していく。
注1 MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor):金属酸化膜半導体電界効果トランジスター
注2 IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor):絶縁ゲートバイポーラトランジスター
<加賀東芝の概要>
所在地:石川県能美市岩内町1番地1
代表者:取締役社長 德永英生
従業員数:約980名(2021年1月時点)
生産品目:ディスクリート半導体(パワーデバイス、小信号デバイス、オプトデバイス)